【REBORN】何が一般的かなんて分からない (ページ36)

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+８３+不憫ページ36

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屋台を流し見ながら歩いていると、ある屋台に人だかり
騒ぎの内容によっては報告対象なわけだし様子を見に行くか

そう思い、近付くと人だかりは歓声を上げる

「あの兄ちゃんすげぇな！！」

「景品取りすぎじゃねぇ？」

景品、と聞いて上を見上げると屋台には「ボール投げ」と書かれている
そしてこの騒ぎである。

騒ぎを起こす人物で屋台が「ボール投げ」と知り、歩みを止める

…見える位置から確認しよう。近付かずに。

人と人の隙間から何が起きているか確認すると
ちょうど投げるフォームをしていて見慣れた横顔が見えた

見慣れた黒髪、香染の瞳は楽し気に輝いている

…仕事中にはかかわりたくないな。

見たところまだ何球か残っているようだし今のうちに立ち去ろう

そそくさと立ち去りつつ歩いていると
活動中の見覚えのある風紀委員がチラホラと視界に映っていた

加えて、集金中の風紀委員を警戒するように見つめる
私服の１５－２５くらいの年齢層が１０名前後いることが確認できる

今日この日に風紀委員を警戒するとしたら、ひったくり犯か

携帯とワイヤレスイヤホンを接続。
電話帳から彼の名前を表示させておいて携帯を片手に歩く

神社の奥の方、境内の方まで向かって周囲を見回しながら歩いていると
「どけ！」と叫ぶような声が聞こえ、そちらに視線が行く

その方向からマスクをした男が金属製の四角い箱を小脇に抱え走り去る
…怪しさは十分。
ジッとそちらを見やり、服装と見て取れた身体情報を覚える

この格好ではすぐに追うのは不可能
しかし男はそのまま境内の階段を上っていくのが見えた

カラン、コロン、と下駄を打ち鳴らしながら境内を上っていくと
そこには１５－２５歳の年齢層のガラの悪そうな男たちがウジャウジャと。

男たちは先程の箱を囲むようにたかっている。
よく見れば中には風紀委員を警戒していた男も混ざっている様子

下駄の音に反応して奴らの視線はコチラに向かう

「あ？…んだよ。女か」

「しかも一人だぜ。ツラもいい」

あーぁ、だから嫌だったんですよ。
この格好では舐められるのは必定。その上この汚らしい笑みだ。

気分は最悪

見たくもない汚い笑みからは視線を外して
背後から聞こえてきた足音に反応して階段を見下ろす

はっはっ…と息を荒げながら走る２つの足音と聞き慣れた絶叫

「コ…コラーー！！」

本当に、あなたはいつも気苦労が絶えませんね。
沢田くん

彼が不憫に思えて仕方がない