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36話 ページ37

隣でスクアーロが少し驚いた顔をして、ニヤリと笑った。こいつは本物の殺し屋になれる、と。
初めての殺しを目の前にして微塵の焦りも迷いも見せなかった名前に、スクアーロはなんだが気分が高揚して、今すぐ残党を全員かっ捌いてやりたくなった。

「今回の任務はボスの暗殺だけだ。引き上げるぞ。」

しかしスクアーロは極めて声を落として、名前にそう言った。名前も小さく頷くと、足元に戻ってきたフィドを一撫でしてから匣に戻した。

こうして名前の初任務は無事に終わり、予定より30分も早くヴァリアー城へと帰還したのだった。


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初任務から1週間。名前はXANXUSに課せられた任務の全てを完璧に遂行し終えた。狙撃の腕前も類を見ない上達ぶりを発揮し、炎を使った戦闘訓練や実践の面でも問題なく通過。その鬼才はヴァリアー内で注目の的になってしまったほどだ。

「しししっ!やっぱ王子が見込んで拾ってきただけのことはあるな〜。」
「勘違いしないでおきなよ、ベル。全部名前の力なんだから。」

いつものように2人揃って過ごすベルとマーモンを横目に、名前はいま、XANXUSの部屋の前へと来ていた。スクアーロづてに話があると伝達があったのだ。

この部屋に入るのはいつでも緊張してしまう。けれど、最初に入った時のような強烈な畏怖はもうなかった。
深呼吸をひとつして、扉をノックし中へ入る。

『ご用件をお伺いします。』

名前はメモ用紙をすっとXANXUSの前へ差し出すと、少し離れた場所に待機した。

「………テメェを今日からこのヴァリアーの、雲の幹部に任命する。」

名前の目が見開かれる。後ろではベルが喜ぶ声が聞こえるが、その声はどこか遠い。頭の中で、今しがた告げられた辞令を反芻する。

雲の幹部。すなわちこの完全実力主義のヴァリアーで、雲属性のトップに値する者。

名前は両目から一筋の涙を流して、ぐしゃぐしゃの字でこう言った。

『歴代雲の幹部の中で、1番の強さを誇ってみせます。』と。

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(プロフ) - Twitterフォローさせていただきました。よろしくお願いいたします。 (2022年6月14日 8時) (レス) id: 6425fa7392 (このIDを非表示/違反報告)
みっきー(プロフ) - こちらこそ、親切に教えてくださってありがとうございます!! (2022年4月16日 0時) (レス) id: 069036dd65 (このIDを非表示/違反報告)
巫女月 - みっきーさん» わざわざ数ある中から探していただいて、ありがとうございます…! (2022年4月16日 0時) (レス) @page2 id: 44a9584735 (このIDを非表示/違反報告)
みっきー(プロフ) - 了解致しました!先程フォローさせていただきました!よろしくお願い致します(*´`)♡ (2022年4月14日 14時) (レス) id: 39298dc62b (このIDを非表示/違反報告)
巫女月 - みっきーさん» 作品名も一緒にユーザー名に書いてありますので、かなり分かりやすいかと思います…! (2022年4月14日 1時) (レス) id: 44a9584735 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:巫女月 | 作成日時:2020年12月23日 2時

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