検索窓
今日:3 hit、昨日:4 hit、合計:41,726 hit

18話 ページ19

ルッスーリアの合図と同時に、スクアーロがとてつもない勢いで迫ってきた。名前はそれを紙一重でかわし、距離を置くべく遠のいた。

「う"ぉい…なんで飛び退いたテメェ自身が驚いてんだぁ?」

そう、まるでいつもと違う感覚に戸惑っているかのような顔で、名前は着地した。だがそこで攻撃をやめるスクアーロではない。詰め寄っては離れ、詰め寄っては離れの攻防を繰り返している。

「あ、もしかして昨日足枷外したから、いつもより動けるんじゃね?」
「確かに、あれものすごく重かったからね。身軽さが変わってても不思議じゃないよ。」

外野から観戦していたベルとマーモンが、仮説を立てる。それをスクアーロは小耳に挟んで、ひとり納得した。

「いつまで鬼ごっこ続ける気だぁ"!!そんなんじゃヴァリアーの試験は…通過できねぇぞぉ"!!!!」

スクアーロの猛攻は止まらない。彼の剣撃を見慣れているヴァリアーの面々でさえ、動きを追うのに忙しいほどだ。

「しししっ!名前なかなかやるよな。あのスクアーロとやり合って、まだかすってもねぇじゃん。」

ベルは上機嫌に観戦を続け、マーモンは徐々に退屈になってきたというところで、名前が反撃に出た。

「あり?アイツ、銃持ってんのになんで武術で攻撃してんの?」
「まさかあの子…スクアーロが銃弾で怪我するんじゃないかって心配して撃たないのかしら…?」

だとしたら生ぬるい考えだ。試験といえど、本気で殺す気かからなければ、このヴァリアーで居残ることは出来ないのだから。

「そろそろ本気でやってもらうぜぇ"!!!!」

ここでスクアーロの大技、スコントロ・ディ・スクアーロが放たれる。剣帝テュールを討った技だ。誰もが、ここで勝負が決まる、スクアーロが勝ったと確信した。しかし。

「…!?」

名前は躱した。躱しきった。あのスクアーロの特攻を。そして、今までの移動とは比べ物にならない速さで距離を詰めり、足首を狙った回し蹴りでスクアーロの体をなぎ倒すと、無防備になったほんの一瞬のうちにスクアーロの胴へ馬乗りになって、眉間に拳銃を当てた。

数秒の静寂。誰もがそのスピードに目を疑った。そして名前はスクアーロの上から退くと、紙を手にしてこう書いた。

『私なりに勝ちを狙ってみましたが、いけなかったでしょうか?』

おずおずと紙を差し出す名前の姿を見て、今まで静観していたXANXUSがただ一言、「文句ねえ」と笑って訓練場を去っていった。

19話→←17話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (45 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
128人がお気に入り
設定タグ:リボーン , ヴァリアー
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - Twitterフォローさせていただきました。よろしくお願いいたします。 (2022年6月14日 8時) (レス) id: 6425fa7392 (このIDを非表示/違反報告)
みっきー(プロフ) - こちらこそ、親切に教えてくださってありがとうございます!! (2022年4月16日 0時) (レス) id: 069036dd65 (このIDを非表示/違反報告)
巫女月 - みっきーさん» わざわざ数ある中から探していただいて、ありがとうございます…! (2022年4月16日 0時) (レス) @page2 id: 44a9584735 (このIDを非表示/違反報告)
みっきー(プロフ) - 了解致しました!先程フォローさせていただきました!よろしくお願い致します(*´`)♡ (2022年4月14日 14時) (レス) id: 39298dc62b (このIDを非表示/違反報告)
巫女月 - みっきーさん» 作品名も一緒にユーザー名に書いてありますので、かなり分かりやすいかと思います…! (2022年4月14日 1時) (レス) id: 44a9584735 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:巫女月 | 作成日時:2020年12月23日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。