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「そ……んな……」
頭の中に蘇った光景が私を襲った。
「そんなの、そんなの嘘よ!!」
私は誰?
「私は私だわ!!」
自分に叫ぶ。
あの時、母親と名乗った人物は誰なの?
「お母さんはお母さんよ!!決まっているじゃない!!」
「落ち着きなさい」
アーウィンが差し伸べた手を、乱暴に振り払った。
「いや、嫌あああっ!!」
「A!」
暴れる私の両肩を押さえて、自分の方を向かせる。
「あなたはあなただ。怯えてる必要はない。例えあなたがーー」
鈍い衝撃に彼の赤い目が揺れた。
「あ……」
私の両肩を掴んでいた手が滑り落ちる。
「アーウィン!」
膝をついたその背中に、細いナイフが深々と突き刺さっていた。
ナイフは真っ黒に焼けこげ、うっすらと煙を上げる。
カツン。
大聖堂に澱む闇の中、足音が響いた。
カツン。
その人は三本の銀のナイフを手に、ゆっくりと近づいてくる。
カツン。
「お、かあさ……」
「忘れたの?Aはあなたのものじゃないのよ。そういう"約束"だったでしょう?」
「……………」
そこに立っていたのは、祭壇に寝かされていたはずのお母さんだった。
お母さん?違う!
あの時、母親と名乗ったのはいったい誰なの?
私は、この人は……!!
いったい誰なの!
痙攣する震えが全身を襲う。
自分で自分の体がコントロールできない。
傍らでアーウィンが血を流しているのに、それを助け起こすことさえできずただ震えていた。
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作者名:蒼(そう) | 作成日時:2023年12月29日 0時