検索窓
今日:34 hit、昨日:1 hit、合計:1,254 hit

ページ ページ32

「…………」


カードを見るのを止めて、立てた膝に顔を埋めた。


……フレディ、遅いな。

いつ戻ってくるのかしら。



遠くで、オオンと遠吠えが聞こえてくる。

それとも風の音?

早く帰ってこないかな。





不意にお母さんのことを思い出した。



そうだ。

私、いつもこうやってお仕事から帰ってくるお母さんを待っていた。





いつ帰ってくるのと聞くたびに、アーウィンはいつだって家にいますよとしか言ってくれない。


そのうちっていつ?あと少し?もっと後?



私はベッドの中で耳を澄ませていた。

車のエンジン音が近づいてくるのを、玄関から聞く音がするのを、ずっと待っている。



まだかな。

いつ帰ってくるのかな。

早く帰ってきて。お母さん……。




お母さんのことを思っていたら、不意に涙が溢れた。


お母さん、早く帰ってきて。

今、会いたいよう……。

『A……』
「!」


またあの声。

心臓が縮み上がった。


声を出しちゃ、ダメなのに!

だめってフレディが言ってたのに!


『A……』


焦る私に構わず、声はもう一度呼んだ。

とても近い。


ハッとして奥の扉を見つめる。


あの扉の向こう。


すぐそばに……いる。


『A……』
「…………」


フレディはじっとしていろって言ってたけど、ちょっとだけ……。

ちょっとだけ見て、すぐに戻るくらいならいいよね?



そっと足音を立てず、静かに歩きドアに手をかけた。


「……あ、れ……?」


ドアを開けて向こうを見ると、誰もいなかった。


おかしいな。

こっちから声が聞こえたんだけどな……。


もう一つ向こうのドアかな?


「…………」


廊下は東へ折れているが、その先は行き止まりになっている。

北には一つ、ドアがある。

北のドアをくぐる。


「な、なにここ……!」


私を迎えたのは、死体の林だった。


たくさんの死体が柱に打ち付けられ、突っ立っている。

皆、顔には黒いベールが被されていた。

次ページ→←前ページ


  • 金 運: ★☆☆☆☆
  • 恋愛運: ★★★☆☆
  • 健康運: ★★★★★
  • 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーカラー

あずきいろ

ラッキーナンバー

8

ラッキー方角

西 - この方角に福があるはずです

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした!


目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (2 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
設定タグ:名前変換オリジナル , オリジナル , 吸血鬼   
作品ジャンル:ホラー, オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:蒼(そう) | 作成日時:2023年11月25日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。