Chocolate palette. 【A3！】 (ページ4)

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＂恥＂/ 碓氷真澄ページ4

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“ バレンタイン ” とは。
想いを寄せている又は恋人に日々の感謝としてチョコレートを贈る日である。
自分の周りの女の子たちはみんな友チョコだの本命だので盛り上がっていたが、私は憂鬱な気分に包まれていた。

『 ... やっぱり。』

だいすきな彼の下駄箱で見かけた溢れんばかりのチョコレートらしきものを見た私はその時から辛気臭いオーラを隠すことは出来なかった。

_____ 学校での鬱憤を晴らす為に足早に寮へと帰ると、もう既に彼は帰ってきていた。
彼の顔も見たくない、そう思い部屋に閉じこもると案の定彼は部屋に来る。
コンコンと軽くノックし入ってきては私の様子を背後から伺った。

「 ... ねぇ、A 。」

『なに、』

「なんで怒ってるの」

『怒ってないもん』

ふくれて拗ねた顔をし彼にそっぽを向けていると、彼は力づくで自分の方へと私の身体を倒す。
私の表情を見るなり彼は嘘つき、と小さく零し彼も少し怒ったようにこちらを見つめる。

「怒ってる。」

『やだ、顔見ないでよ、』

彼に自分の顔を見られて頬が熱くなるのと同時に目から生暖かい涙が流れるのを感じる。

「ごめん、A 、」

『ごめんじゃないよ ... 、

私以外の女の子からチョコ貰わないでよ、』

ただただ不満を言う私を捨ててほしい、そんな風に彼に私は愚痴を吐いた。
こんな彼女最低だ、そう思い彼から顔を背けると不意に彼から引き寄せられ彼の腕の中に籠る。

「他の奴のチョコなんかより、

俺はアンタがほしい。」

彼は抱きしめていた身体を少し離し目を合わせると、優しく唇にキスを落とす。
“ アンタがほしい ” 、たったその一言だけでここまで私の頭の中を彼自身でいっぱいにさせてしまう彼はほんとにずるい。

重ね合った唇を離さないまま彼に身を委ねる。
床に落ちていた彼のヘッドホンからは中毒性の強いラブソングが漏れていた。

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