情けない文豪が見たい人の為の短編集

嫉妬‐マーク・トウェイン ページ5

　
　‐‐‐木下さんリクエストありがとうございます‐‐‐

‐‐‐組合にいる頃のトウェイン君です‐‐‐
　
　
　
　
　
　
　…やっぱり怒ってるのかな？
　僕が彼女に嫉妬させちゃったこと…。

　つい昨日の出来事だった。
　『もう！マークなんて知らない！』
　なんて言って走って行っちゃったのは…。
　
　つい、昨日の出来事なのに、
　1ヶ月も苦しんでいるような気分…。
　
　Aのことを考えると
　ギュッと胸が締め付けられて、涙が出そうになる。
　
　僕は勇敢で、かっこいいはずなのに…。
　
　君以外何も考えられないでいると、
　脳裏に焼き付いた姿が目に飛び込んできた。
　
　
　Aだ。何やら楽しそうに話している……誰と？
　聞き耳を立てるには遠い距離で、話はよく聞こえない。
　
　相手方の姿がようやく見える。
　ハックとトムだった。
　
　
　僕達はとっても仲が良かったはず。
　信頼してて、絆で結ばれてたはず。
　
　でも、でも…今はハックとトムにイライラしている。
　
　
　僕は話せないのに。
　
　そう思うと同時に、全く動かなかった僕の体が動いていた。
　
　
　「マーク！？え、ちょ」
　
　そんなAの声をよそに、
　僕は彼女の細腕を握って連れ出していた。
　
　
　「「…やれやれ」」
　
　
　‐‐‐
　
　
　「ちょっ、マーク！と、止まって…！」
　気づけば息切れを起こしているAがいて、
　僕も肩が大きく上下していた。
　
　
　「ハァ、ハァ…どうしたの…？」
　「……なんか、」
　「うん…」
　
　「…ハックとトムと、楽しそうに話してるAを見たら…
　胸がもやもやして…イライラ、して………」
　「うん」
　
　「気づいたら、こんなことに…」
　
　

　「！…………っふ、あはは」
　


　間を置いてAが吹き出した。
　何に笑ってるんだろう。
　
　「…マーク、それ…ね、」
　「？」
　
　「嫉妬って言うんだよ」
　
　
　
　
　
　

中原君は気づかない‐中原中也→←嫉妬‐ジョン・スタインベック

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