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街はクリスマス一色。
赤と緑の装飾に、昼なのに光っているイルミネーション。
きれいだと思いながら、一人で歩く。
一人の時は、人に道を聞かれたりしないように
マスクをつけて、イヤホンを耳に。
マフラーもつけて、女子力なんて皆無。
手を繋いで歩くカップル。
ベンチに座って暖かい飲み物を飲むカップル。
プレゼントを選んでいるのか、ディスプレイを見つめるカップル。
みんな、幸せそうな顔をしていた。
…どうしてわたしはみんなと違うんだろう。
はぁ、と息を吐けば白くなって空に消えていく。
冬を実感させるそれが、嫌いじゃなかった。
そうだ、スタバァにでも行こうかな。
休日に自分のバイト先に行くっていうのも、なかなかにないから。
店長さんとか、いたら一応謝っておきたいし。
ここから近いし、今からでも。
そして、スタバァの前。
聞き覚えのある二つの声。
「お願いします！！」
「何度言われても同じです！個人情報になりますのでお答えできません！」
「そこをなんとか…お願いします！悪用とかしないんで…！お願いします…！」
「…お願いします」
店の入り口から、顔をのぞかせる。
…トド松兄さんと、一松兄さん？
「っあ、松野さん！」
「え…？」
「A…っ！あ、待って！」
なんで、どうして。
足が震えて、進まない。
どうしてまた、会うことになったんだ。
しかも今回は二人？
悠もいない。
「…っ、A」
目の前には、二人の兄。
しっかりと腕を掴まれて、逃げることなんてできない。
振りほどきたくても、力が出ない。
「…お願い。ちゃんと話がしたいんだ」
イヤホンから流れる音楽と、兄の声。
もう少し音量を高くしていればよかった。
「Aの家…、行ってもいいかな」
それを言われて、初めて抵抗の意思が出た。
頭を左右に振って、離して、の意味を込めて腕を引く。
けど、兄はひかない。
前髪とマフラーでほとんど隠れている顔。
前髪を片手で掬い上げられる。
体が強張るのがわかった。
やめて、触らないで。
「お願い…ちゃんと僕たちの目を見て」
目に入ってきたのは、どこか悲しそうな顔。
声を出して抵抗したくてもできないわたしは、言うことを聞くしかなかった。
だって、抵抗したらまた酷いことをするってわかってるから。
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プリン - 私の好みドストライク！ (2019年2月17日 16時) (
レス) id: d0243add66 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 松兄弟目当てできたのに悠を好きになった私← (2017年1月11日 1時) (レス) id: 18f2ff2d81 (このIDを非表示/違反報告)
七 - とても素敵でした！別サイトでも書いてるんですか？凄く読みたいです…urlとかって貼れますか…？ (2016年5月29日 2時) (レス) id: 898d37ed7a (このIDを非表示/違反報告)
せいや(プロフ) - アイさん» たててますよーー！！ナノでですよね？たててます！同じ人です！ (2016年2月19日 0時) (レス) id: 89311f3d00 (このIDを非表示/違反報告)
アイ - すみませんいきなりで申し訳無いのですがもうひとつサイトたてられていられますか？同じような小説を見かけました私が知るにこちら様の作品の方が先だと思われるのですが… (2016年2月13日 19時) (レス) id: 1a19365efa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せいや
| 作成日時：2015年12月2日 19時
