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結局、今日はいろいろありすぎてろくに買い物もできなかった。
ただただ無言で必要なものを買っていくだけ。
悠は最後まで付き合ってくれて、スーパーで別れた。
頭がくらくらする。
兄に頭を撫でられたこと。
声が出ないわたしへの、悲しそうな顔。
調子が狂う。
歩くのがつらくなり、近くの公園に寄る。
もう夕方だし、人は全くいない。
ベンチに座って、買った缶のコーンポタージュを両手で包む。
あったかい。
もう１２月。はぁ、と息を吐くと白くなって消えた。
今年は雪、降るかな。
缶を開けて、スープを口に含む。
コーンの甘みが出てて美味しい。
体が芯からあったまるって感じだ。
…明日、どうしよう。
予定では、明日は兄は来ないはずだった。
だけど今日の帰りに言われた。
明日も来るから、と。
怖かった。
思い出すと手が震える。
もういい、いまは忘れよう。
そう思って、誰もいない夕方の公園にひとり。
足元に違和感を感じて覗き込む。
そこには、生まれたばかりくらいに小さい、猫。
癒されたい気分。
缶をベンチにおいて、猫を抱き上げる。
寒いよね、おなか減ってるよね。
ちょっとまってね、何か食べられるものがないか見てみるからね。
頭の中でそう思っても、言葉にはならない。
自分で悲しくなりながら、スーパーの袋を見る。
猫にあげていいようなもの。
それを探していたときだった。
がさ、とはっぱを踏む音がして自然と体が強張る。
それと同時にわたしの膝の上から降りて走っていく猫。
袋から目を離して、そちらを見る。
「…、え」
立ち上がってベンチに置いていたバッグを抱え、走る。
立ち上がると気に缶を落としてしまったけど、
そんなこと気にしていられなかった。
どうしてここにいるの。
どうしてわたしの生活の邪魔をするの。
どうして自由にさせてくれないの。
神様は不平等だ。
今日はよく涙が出るなぁ。
自分の体の事なんか考えずにただただ走った。
溢れ出る涙で頬が濡れる。
あれは確かに、６人の中の１人の兄だった。
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プリン - 私の好みドストライク！ (2019年2月17日 16時) (
レス) id: d0243add66 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 松兄弟目当てできたのに悠を好きになった私← (2017年1月11日 1時) (レス) id: 18f2ff2d81 (このIDを非表示/違反報告)
七 - とても素敵でした！別サイトでも書いてるんですか？凄く読みたいです…urlとかって貼れますか…？ (2016年5月29日 2時) (レス) id: 898d37ed7a (このIDを非表示/違反報告)
せいや(プロフ) - アイさん» たててますよーー！！ナノでですよね？たててます！同じ人です！ (2016年2月19日 0時) (レス) id: 89311f3d00 (このIDを非表示/違反報告)
アイ - すみませんいきなりで申し訳無いのですがもうひとつサイトたてられていられますか？同じような小説を見かけました私が知るにこちら様の作品の方が先だと思われるのですが… (2016年2月13日 19時) (レス) id: 1a19365efa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せいや
| 作成日時：2015年12月2日 19時
