１２.side...トド松 ページ13
イライラした。
Aは声が出ないのに、それなのにやり取りができるあの男に。
そして、素直に話したいという気持ちがあるかもしれないのに
その気持ちを全面的に否定して冷たく当たる自分に。
僕たちがあのときからAを避けて、嫌がらせをした理由。
僕たちが絶対的に悪いんだ。
それは、わかってる。僕だけじゃなくて兄さんたちも。
Aをあんな風にさせたのは、僕たちだ。
さっき、近付いただけで息を荒くして近くの壁にもたれたA。
直前に見ていたのは、足元。
Aを初めて避けた日。
あのとき、僕は意味もなしにAの足を引っかけた。
Aの体が弱いことも知ってたのに。
あの時のAの顔は、本当に忘れられない。
あのときの僕は、どうかしていた。
そして、頭を撫でた。
出来心だった。
近くにいる。Aが、近くにいるんだ。
そう思ったら、手が勝ってい動いていた。
撫でるために、怖がらないでよっていう理由付けして。
それも確かに本心だったし、後悔はしていない。
昔、よくAの頭を撫でてた。
撫でたら、へらーっと顔を緩ませて微笑んだんだ。
あのAの顔は本当に可愛かったんだよなぁ。
大好きだった。
さっき、頭を撫でたとき。
怯えて肩は震え、恐怖で体は強張ってた。
Aたちが帰って、無人のスタッフルーム。
ロッカーを片手で殴った。
僕は何をしているんだ。
…本当は仲直りしたいのに。
あのときどうして避けたのか。
ああまでになることをしてしまったのか。
僕はただ、Aに笑っていてほしいだけなのに。
「…く、そ…ｯ」
ほかの兄弟たちがどう思っているかなんて知らない。
でも僕は、僕の中には、申し訳ないという気持ちと
また一緒に笑い合いたいという気持ちが確かにあった。
どうして素直になれないんだ。
誤って、気持ちを伝えて
そして、否定されるのが怖いから？
許してもらえないのが怖いから？
違う。
僕は、Aから逃げてるだけだ。
自分の情けなさに、涙が出た。
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プリン - 私の好みドストライク！ (2019年2月17日 16時) (
レス) id: d0243add66 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 松兄弟目当てできたのに悠を好きになった私← (2017年1月11日 1時) (レス) id: 18f2ff2d81 (このIDを非表示/違反報告)
七 - とても素敵でした！別サイトでも書いてるんですか？凄く読みたいです…urlとかって貼れますか…？ (2016年5月29日 2時) (レス) id: 898d37ed7a (このIDを非表示/違反報告)
せいや(プロフ) - アイさん» たててますよーー！！ナノでですよね？たててます！同じ人です！ (2016年2月19日 0時) (レス) id: 89311f3d00 (このIDを非表示/違反報告)
アイ - すみませんいきなりで申し訳無いのですがもうひとつサイトたてられていられますか？同じような小説を見かけました私が知るにこちら様の作品の方が先だと思われるのですが… (2016年2月13日 19時) (レス) id: 1a19365efa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せいや
| 作成日時：2015年12月2日 19時
