プロローグ ページ1
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どこへ行くにも一緒だった。
２つ年の違う６人の兄。
個性的で、面白くて。
そして、優しかった。
兄たちと違って、あまり強くない…むしろ、弱い体。
わたしが出来ないことがあったら、必ず助けてくれた。
いつでも守ってくれた。
「俺たちはAの兄ちゃんだからな！」
そう言って、優しく頭を撫でる６つの手。
でも、いつからでしょうか。
頭に乗る手が、なくなったのは。
中学校に入学して２か月。
いつも通りに、兄さんたちと一緒に行こうとした。
だけど、何かがおかしい。
「母さん、兄さんたちは？」
「あら、Aいたの？あの子たちならもう先に行ったわよ」
Aも一緒だと思ってたわ、と言って母は家事に戻る。
最初は、何か用事があったんだろうな、って思ってた。
兄たちはわたしと違って、中学三年生。
受験とかの準備で忙しいんだろうなって。
しょうがない。
わたしも、少しくらい我慢しないといけない。
そう思って、学校へ向かった。
学校では、クラスに友達なんていない。
…いや、１人だけ。
入学式の時に話しかけてきてくれた、前の席の男の子。
一之瀬 悠。
彼とは仲良くなれたけど、そのほかは全く。
お昼ご飯はいつも、兄たちが教室まで迎えに来てくれる。
そう思っていた。
「あれ、松野さん今日はひとり？」
「え、あ…」
「なら一緒に食べよう？僕でよければ…」
きっと、忙しいんだ。
ご飯を食べてる間も勉強とか、忙しいんだ。
我慢しなきゃ。我慢しなきゃ。
「うん、一緒に食べよう」
一之瀬くんと２人でご飯を食べる。
いつもなら７人いて、騒がして楽しくて。
寂しい。
それは、帰りまで続いた。
いつもは帰りも呼びに来てくれる。
小学校の時もそうだった。
待っていたのに、来なかった。
空が真っ暗で、いまは何時だろう？と時計を見る。
午後６時。普段なら家で兄たちとおしゃべりしている。
きっと、帰りも残って勉強してるんだな。
「おかえり、A。遅かったわね？一緒じゃなかったの？」
家に帰ると、居間で笑顔で話す兄たち。
なんで？
一瞬こちらを見て、ひそひそと話しだす。
『帰ってきたのかよ、邪魔者』
何かが崩れる音がした。
何も見ない、聞かないふりをして２階への道を急ぐ。
居間を通らないといけない。だから、早く。
「おっと、ごめん」
引っ掛けられる足。
よろける体。
近くの柱に手をつき、バランスを保つ。
これが、壊れた日。
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革ベルト
ラッキーナンバー
8
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プリン - 私の好みドストライク！ (2019年2月17日 16時) (
レス) id: d0243add66 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 松兄弟目当てできたのに悠を好きになった私← (2017年1月11日 1時) (レス) id: 18f2ff2d81 (このIDを非表示/違反報告)
七 - とても素敵でした！別サイトでも書いてるんですか？凄く読みたいです…urlとかって貼れますか…？ (2016年5月29日 2時) (レス) id: 898d37ed7a (このIDを非表示/違反報告)
せいや(プロフ) - アイさん» たててますよーー！！ナノでですよね？たててます！同じ人です！ (2016年2月19日 0時) (レス) id: 89311f3d00 (このIDを非表示/違反報告)
アイ - すみませんいきなりで申し訳無いのですがもうひとつサイトたてられていられますか？同じような小説を見かけました私が知るにこちら様の作品の方が先だと思われるのですが… (2016年2月13日 19時) (レス) id: 1a19365efa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せいや
| 作成日時：2015年12月2日 19時
