精霊達の愛し子【番外編】 (ページ34)

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［レイラside］

ｶﾘﾑ｢あっ、違う違う。そういう意味じゃなくてさ？オレ自腹で派手にしようとしてたらダメって言われたからお前らはどうやってやったんだろうって思って｣

そんなカリムくんの素直な疑問に対し、艶やかに笑ったジェイド先輩が続ける

ｼﾞｪｲﾄﾞ｢ふふふ、気になりますか？オクタヴィネルを含めて予算をオーバーした寮は1つもありませんでした。なぜなら僕達オクタヴィネルのハロウィーンのこだわりは…｣

ｼﾞｪｲﾄﾞ・ﾚｲﾗ｢｢徹底した『コスト最適化』｣｣

ｼﾞｪｲﾄﾞ｢…おや、流石です。レイラさんは分かると思いましたよ｣

｢あなた達は頭が良いもの。それ位考えつくと思ったわ｣

ｱｽﾞｰﾙ｢衣装は生地の色と種類を限定し、同色の布を大量購入する事で1人あたりの単価を抑えています。さらに切りっぱなし加工などを多用する事で縫製の工数も大幅にカットしました｣

｢粗方、特注の水槽はモストロ・ラウンジにある水槽のメンテナンスの長期契約で格安にしてもらったのでしょう？｣

ｱｽﾞｰﾙ｢そこまで読めるだなんて流石です！｣

…正直ただの勘だし憶測だしなんならアズール先輩ならやりそうって思うこと言ってるだけなのよね
でもこれだけ細部までこだわりつつ予算内に抑えるだなんて素晴らしい商談の手腕だわ

あまりの計画の緻密さに周りは軽く引いてるが、悪い事は何もしておらず自身の知恵と発想で『最もリッチ』に仕上げた彼らには皆感服の表情だ

ｸﾛｳﾘｰ｢さぁ次はスカラビア寮のセットを見に行きましょう！たしか、購買部でしたね｣

《購買部》

ｼﾞｬﾐﾙ｢そろそろ来る頃だろうと思っていたよ。学園長、皆さん、ゆっくりスカラビアのハロウィーンをご覧下さい｣

ﾚｲﾗ・ｱｽﾞｰﾙ｢｢ミステリーショップがボロボロに…/なっています｣｣

ｼﾞｪｲﾄﾞ｢まるでレイラさんやユウさんのオンボロ寮のようですね｣

散々な言われようだが、見た目は完全に廃墟なので言い返せない…
まああの廃墟感が好きだからいいんですけどっ

ｼﾞｬﾐﾙ｢もちろん本当に壊した訳じゃないぞ。継ぎ接ぎの布で購買部を覆っているだけだ｣

ｶﾘﾑ｢飾りも衣装も寮の皆で決めたんだ！楽しかったぜ！｣

ｼﾞｬﾐﾙ｢仮装はできたか？パーツの付け忘れはないな？｣

ｶﾘﾑ｢おう！大丈夫！オレ達スカラビアの今年の仮装は…“狼男”だ！｣