Every day words to give to Sunrise(Ryohei.A) (ページ9)

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Every day words to give to Sunrise(Ryohei.A)９ページ9

「康二も知ってたの？あの時から？」

無意識に体が前に進んだのか、
自分の腕を握る深澤の手から抵抗を感じる。
それすら、煩わしい。

「あの時知ってて、俺に言わなかったの？
　もう別れた男には関係ないって？！」
「違う！言われへんかってん！！！
　俺は絶対阿部ちゃんには言うべきやって言うだけど！！！
　言わんでくれって、Aさんが泣くから！！！」

「2人とも落ち着けって！！！！」

怒鳴るように声を荒げた2人を一喝したのは岩本で
その場が急にシンと静まった。

「…ごめん。何回もAさんに話したけど
　全然頷いてくれんくて、絶対阿部ちゃんには言わんでほしいって言われて。
　俺…。俺、ごめん。」

先に口を開いた向井は涙声で、その弱々しい声に
急に頭が冷えて、阿部はグッと目を閉じて頭を下げた。

「…俺こそ怒鳴ってごめん。
　康二は全然悪くないのに、八つ当たりした。
　ごめん。」

腕から深澤の手が離れる感覚があって
顔を上げると、未だ戸惑いの残った深澤の顔があった。
阿部は、その場に居る全員に頭を下げる。

「みんなもごめん。急に怒鳴ったりして。
　俺、ちょっと…」
「阿部ちゃああん！！！
　阿部ちゃんは悪ないよお、誰も悪くない！！！」

そんな阿部に、深澤を押し退けて抱きついたのは向井で
我慢の限界だったのか、おいおいと泣いている。

力いっぱい抱き着いてくる、向井の背を
ぽんぽんと叩いてあやしながら
阿部も自分の目が熱くなるのを感じていた。

「康二、本当ごめんね。巻き込んでごめん。」
「あべちゃあああんんんん。」

そんな感動的な仲直りを、呆気にとられて見ていた７人だったが
庇っていたはずの向井に、押し除けられた深澤がハッとして口を開く。

「ってか、え？どういうこと？
　阿部ちゃんはAさんの大阪行きの件知らなかったの？
　てか、別れたの？？え？？？」

それは、７人全員が抱えていた疑問だった。