二つの炎【REBORN】 (ページ30)

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-26-王子と幻術使いページ30

ボンゴレ本部を包む戦いの嵐は最高潮に達していた。

城の至る所から煙が上がり、場内外問わず火花が散り、銃弾が飛び交う……
そんな中黒の集団は、己のやるべきことを全うするためさらに歩みを深めていた……

-2F・中央通路-

「くっ…隔壁を封鎖してくれ！！これ以上侵入を許すな！」

無線で司令室へ伝えると、次々と通路が鉄の扉で遮られていく。

「……これで大丈夫だろう」

と、安心するのも束の間。
塞いでいる扉はまるで紙を切るかのようにあっさりと切り刻まれてしまう。

そして煙の奥から楽しげに笑う声が響く。

「しししっ♪こんなもんで俺たちを止められるとでも思った訳？」

ユラユラと空中に浮かぶナイフを操り、颯爽と出てくる少年…ベルフェゴール。

「う、撃てっ…！撃てぇっ！！」

装備している銃を構える構成員達。しかしその銃は火を吹く前に身体ごとベルフェゴールによって切り裂かれてしまう。

「ししっ！ザッコいヤツら」

舞い上がる赤に更に笑みを深めながら、ベルフェゴールも奥へと進んで行った。

-司令室-

「Aブロック沈黙！」

「第2通路突破されました！」

「中庭との連絡が途絶えました……」

巨大スクリーンに投影されるアジトの見取り図。ヴァリアーの猛攻にどんどん赤く塗りつぶされていくそれを見ながら次々と指示を回していく。

「裏庭にヘリを回せ！！直ちに9代目を脱出させるんだ！！」

「分かりましたっ……！」

司令長官の額に汗が浮かぶ。

「9代目だけは…何としてでも守れっ！！」

ビキッ…

その時突如スクリーンに亀裂が入り、そこから大量の水が室内に流れ込んできた。

「何っ！？」

「きゃああっ！！」

その水は次々と増し、司令員たちを飲み込んで行く。

「呆気ないね。これが鉄壁の要塞と言われたボンゴレの総本部とは……」

ふわりと舞い降りるマーモン。そこは先程あの大量の水があったとは思えないほど綺麗なままの室内。さっきと違うといえば、人だけが倒れているということだけ……

そう。全て彼の作った幻覚だったのだ。

「後はスクアーロとA…ボスが9代目を落とせばチェックメイトか……」

その言葉は、ボンゴレ本部が9代目達がいる場所以外がヴァリアーによって落とされたことを意味していた。