二つの炎【REBORN】 (ページ21)

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-18-冷徹な瞳ページ21

談話室…Aは一人ゆっくりとコーヒーを飲んでいた。

「……」

じっと見つめる自分の手の甲。そこは、さっきXANXUSが口付けを落とした所。

(…ザンザスが、あんな事するなんて…)

「おや、A様ではありませんか」

「オッタビオ…」

縁のないメガネを掛け、隊服を身にまとったオッタビオと呼ばれた男。

彼は、このヴァリアーの副隊長だ。

「お一人でお茶ですか」

「ええ。やる事は終わったし…夕飯までは時間もあるし」

Aは彼が嫌いだった。そして彼も、彼女を好んではいなかった。

「……貴女も、あの作戦に参加するのですか」

「それが何か」

突き放すような冷たい声。くしゃり…と紙が歪む音がした。

「あんなっ…あんな作戦正気とは思えません！！！！」

「貴方がどう思っても私には…ザンザスには関係無い。やりたい子はやればいい。やりたくないのならやらなければいい。それだけの事。」

「ボンゴレへの反逆ですよ！！！！」

「どうでもいい」

空になったカップがそっと置かれる。金の瞳が冷たく鋭くオッタビオを貫いた。
それはまるで、あの深紅の様な……

「確かに私は、今までずっとボンゴレを影から支えてきた。けれど、いつの時代だって自分が尽くすと決めた者の為に力を使ってきた…」

ユラリ……
今まで感じたことの無い冷え切った空気。普段あんな穏やかな彼女から放たれているとは思えない程冷たい気配。

オッタビオは、踏んではいけないものを踏んでしまったことを理解した。

「今の私が仕えて居るのは、たった一人。ザンザスだけ……私が命を使うのは、命を預けているのは彼一人。
彼がやると言うのであれば私は彼の剣になり盾になる。
私にとって大切なのはボンゴレじゃない。XANXUSという人たった一人」

彼が守るものを自分も護る。

「貴方如きが口を出して止まる問題ではないの。それに貴方の考えてる事なんて筒抜けよ。
何れ後悔するわ……」

……あの人に楯突いたことを。