陽光の覚悟 ページ3
「いえ…単純に疑問です」
Aはルッスーリアの前に座ると、自分が入ってきた扉を指さした
「この病室の扉くらい、いくら負傷しているとしても…貴方なら簡単に壊せたでしょう?」
なぜ逃げない…とAは遠回しにルッスーリアに問う
「まぁ、そうでしょうねぇ…」
ルッスーリアは自分の膝に視線を落とし…笑う
「例えこの足使い物にならなくなっても、私はリングを奪い取るつもりだったんだけどね…」
その声は、普段の彼と変わらない…優しい声だった
「最初、Aは私を助けてくれたんだと思ったわ。…でも、すぐにそうじゃないって気がついたの」
ルッスーリアはAの手を取り…優しく握った
「何かワケがあるんでしょう?あんたがボスの命令を違反してまで…私を止めた理由」
Aは一瞬言うか躊躇うが…すぐに口を開いた
「…9代目の勅命です…彼の死炎印を貰うための、交換条件で」
“この争奪戦の間、両守護者の誰一人として殺してはならない”
その事をルッスーリアに伝えれば、彼は哀れむような視線を送る
「何その鬼畜仕様…ボスの命令を遂行する為とはいえ、ボスを裏切るようなものじゃない!!」
「それ、本当にそれ…!」
握られていた手をAが握り返せば…ルッスーリアは優しくAの頭を撫でる
「私以外にそれを知っている人は?」
「スクアーロが…後マーモンには何も言わず手伝ってもらってる」
「そう…」
ルッスーリアは小さく笑うと、Aがした先程の問いに返答する
「私は、例え殺されることになっても…ここから逃げたりなんてしないわ」
優しくて、暖かくて…そして眩い覚悟
「これでもボスにゾッコンなのよ?…私も」
それは…全てを照らす陽光のようで
「生きてれば…捨て駒くらいにはなれる」
ルッスーリアは知らず知らずに…隣にいる人間まで暖めているのだ
「そうですね…」
Aはルッスーリアに優しく笑う
「ここの部屋のセキュリティコードは“1010”です。何か不便があれば使ってください」
そう言って…席を立つと、Aはルッスーリアの頭を小突くように押した
「空元気もここまでだ。息も荒くなってきてるし、顔色も悪い…さっさと休んでろ」
Aの言葉に、ルッスーリアは一瞬驚いた顔をしたが…すぐに諦めたように微笑んだ
「…ふふっ、分かったわ。それじゃあ…おやすみ〜」
ゆっくりと横になったルッスーリアを見届けたAは、痛み止めの飲み薬だけテーブルの上に置いて…病室を出た
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Higuma(プロフ) - 昨日この小説を見つけて一気読みさせてもらいました！！ もう一年以上過ぎてますが、いつか続きが更新されるのを待ってます！とても良いお話だと思います！頑張ってください！ (2019年9月19日 21時) (
レス) id: 72c8bd0285 (このIDを非表示/違反報告)
プリン★スポ隊隊長兼副 いろいろ最高な小説多いよな← - 頑張ってください！応援してます！とても良い作品で続きをたのしみにしてます。 (2018年6月16日 14時) (レス) id: 4588ab3ba5 (このIDを非表示/違反報告)
ユリスタ(プロフ) - うんぬんさん» ありがとうございます!!少し用事が立て込んでしまい、更新頻度が下がってしまうかもしれませんが、これからも応援宜しくお願いしますm(_ _)m (2018年2月12日 0時) (レス) id: 6a14379c02 (このIDを非表示/違反報告)
ユリスタ(プロフ) - みぃさん» ありがとうございます(-人-)これからの展開がまだ少し悩んでいる段階ですが、更新がんばります!!宜しくお願いします!! (2018年2月12日 0時) (レス) id: 6a14379c02 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ - 切ない…これからどうなるかすごく楽しみです！更新頑張ってください！！ (2018年2月7日 18時) (レス) id: 202bcdc282 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユリスタ | 作成日時：2018年1月26日 7時
