醜悪で美しくて ページ19
「生きているのか…?」
ディーノはAの横に座り、様子を伺った
Aはそんなディーノにお構い無しで、スクアーロに水を吐かせる
赤黒い血の混じった水が瓦礫に広がり…スクアーロはむせ返った
「…まだ自発呼吸してる…!?…タフ過ぎるだろコイツ…」
Aは柄にもなく声を裏返すと、スクアーロを抱きしめ…小さく震えた
「心配して、損した…チクショウ…」
「…とりあえず、病院の手配するからな」
ディーノはAの頭を撫でると、どこかへ連絡を取る
それを終えたディーノは、再びAに向き直った
「にしても、戻ってくるとは思わなかったぜ…A」
ディーノは、自分の部下を配置してある事を…Aに伝えては居なかった
“弱者は消す”という、VARIAの暗黙のルールを破ってまで、Aは自分の意思でここに来たのだ
「私も…戻ってくるつもりは無かったんですけど…9代目の勅命を思い出して、まだ間に合うかもしれないと思ったんです」
Aはそう言ってスクアーロを抱え直すと…正面を向かせる
ディーノは、そんなAを見て…更に追及する
「じゃあ仕事が無かったら…来なかったのか?」
「もちろん…これで仕事が完璧に遂行できます」
Aはそう言い放つと、ほぼ海水と言っていい…ベタついた水によって頬にへばりついたスクアーロの髪を優しく払った
その顔は…先ほど見せていた死神の顔をしていたAと同一人物とは思えない程、優しく微笑んでいて
(どこまでが本心なんだか…)
ディーノはそう、ため息を吐いた
Aは言った…スクアーロを“愛している”と
「…病院の手配はできそうなんだが、腕の良い医者が見つからなくてな…頼めるか?」
「…最初からそのつもりですよ。まぁ、XANXUSさんに頼まれてる仕事が残っているんで…手術だけしたら帰りますけど」
Aはそう言って、手首を回した
彼女の頭は…こんな時でも、常にXANXUSの事で一杯なようだ
「ボス!運送する車の準備が整いました!!」
「分かった!!」
部下から呼ばれたディーノが返事をすると、スクアーロを横抱きしたAが近づいてきた
Aが歩く度、水面が波形状に揺れ…暗い部屋にチラチラと反射する
(こういう時…絵になるよな、こいつらは)
VARIAは殺伐として…汚い手を使って弟分を苦しめる、見ようによっては醜悪な連中だ
だが、曲がらない信念にも似た“何か”を掲げているのは確かで…
それが美しくすら見えるのを、ディーノは否定しなかった
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Higuma(プロフ) - 昨日この小説を見つけて一気読みさせてもらいました！！ もう一年以上過ぎてますが、いつか続きが更新されるのを待ってます！とても良いお話だと思います！頑張ってください！ (2019年9月19日 21時) (
レス) id: 72c8bd0285 (このIDを非表示/違反報告)
プリン★スポ隊隊長兼副 いろいろ最高な小説多いよな← - 頑張ってください！応援してます！とても良い作品で続きをたのしみにしてます。 (2018年6月16日 14時) (レス) id: 4588ab3ba5 (このIDを非表示/違反報告)
ユリスタ(プロフ) - うんぬんさん» ありがとうございます!!少し用事が立て込んでしまい、更新頻度が下がってしまうかもしれませんが、これからも応援宜しくお願いしますm(_ _)m (2018年2月12日 0時) (レス) id: 6a14379c02 (このIDを非表示/違反報告)
ユリスタ(プロフ) - みぃさん» ありがとうございます(-人-)これからの展開がまだ少し悩んでいる段階ですが、更新がんばります!!宜しくお願いします!! (2018年2月12日 0時) (レス) id: 6a14379c02 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ - 切ない…これからどうなるかすごく楽しみです！更新頑張ってください！！ (2018年2月7日 18時) (レス) id: 202bcdc282 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユリスタ | 作成日時：2018年1月26日 7時
