1010 ページ40
「お、Aじゃん!」
「あらAちゃん、おかえりなさぁ〜い!仕事はもう済んだのかしら?」
三日後…Aは今度こそ正式にVARIAへ帰ってきた
「はい、おかげさまでなんとか」
出迎えてくれたベルとルッスーリアに、Aは笑顔を向ける
「それで、XANXUSさんは…」
「執務室だ」
「あ、レヴィさん…ただいま戻りました」
Aはレヴィに一礼してから、XANXUSの執務室へ向かう
そして、Aは執務室の扉を数回ノックする
反応はないが…中はXANXUSの気配だけなので、部屋に入った
「失礼します…Aです」
一礼してXANXUSを見れば、彼は背を向けたまま上着を羽織っていた
「カスアマか。丁度いい…ついてこい」
「え?」
状況が飲み込めず慌てるAを他所に…XANXUSから一つの部屋へ案内される
その部屋の扉は…あまりにも厚く、Aはなんの部屋かすぐに察知してしまった
ここは、どんな者でも…決して逃げぬように封じ込める監獄の役割を果たしている、と
「この部屋の鍵だ」
XANXUSはそう言って…Aにキーを放った
それを何とか取って、AはXANXUSを見上げる
「せいぜい、死ぬまで丁重に扱ってやれ」
XANXUSが皮肉めいた言い方をするので、Aはつい苦笑いしてしまう
「体調管理も専属医の仕事ですから、お任せ下さい」
Aがそう言えば、XANXUSくるりと背を向けて去って行った
AはそんなXANXUSを背に…鍵を挿して回す
ガチンと…重厚な錠が開く音が響き、扉を開ける直前
「XANXUSさん!」
Aは、彼を…呼び止めた
XANXUSは歩くのをやめ、こちらに視線だけを寄越す
Aは…迷った
これを言えば、殺されかねない
しかし……
「お誕生日おめでとうございます」
Aは言って逃げた…素早く扉の中に逃げ込み、鍵を閉める
この部屋の構造上、中の者を逃がさないように出来ている扉なら…彼も簡単にこちらへは来れないはずだとふんだのだ
そう、今日は…10月10日
XANXUSの誕生日だったのだ
扉越しに感じるXANXUSの殺気にAは震えるが…だんだんと気配が遠ざかっていくことに気づいた
どうやら言い逃げは成功したらしい
Aがほっと息をつくと…部屋の奥から優しい笑い声が響いた
「…何がおかしいのですか?」
「いや、すまないね…あの子にそんな風に接する子が居たとは知らなかったものだから」
手足を乱雑に縛り上げられた老体は、確かにAへ微笑んでいた
「お久しぶりです…9代目」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 84人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「リボーン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユリスタ(プロフ) - ゆっくりノワールさん» なるべく鬼畜にしないよう心がけたんですが、無理でした←ありがとうございます、更新頑張ります!! (2017年12月31日 1時) (
レス) id: 6a14379c02 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっくりノワール(プロフ) - わー………９代目ってこんな鬼畜でしたっけ((更新頑張ってください (2017年12月30日 2時) (レス) id: 6f03c68297 (このIDを非表示/違反報告)
ユリスタ(プロフ) - イヴさん» ありがとうございます！原作と照らし合わせながらの更新なので、少し遅くなるかもしれませんが頑張ります！ (2017年12月29日 19時) (レス) id: 6a14379c02 (このIDを非表示/違反報告)
イヴ(プロフ) - 面白いです！続き期待しております！ (2017年12月29日 8時) (レス) id: 2af4348fb2 (このIDを非表示/違反報告)
ユリスタ(プロフ) - フ瑠ランさん» ありがとうございます!!フ瑠ランさんの作品にもお邪魔させて頂きますね! (2017年12月12日 18時) (レス) id: 6a14379c02 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ユリスタ | 作成日時：2017年12月12日 9時
