何も変わらない1 ページ12
「A!お湯持ってきたぜ!」
ベルフェゴールは、そう言いながら医務室に入る
割と熱めのお湯からふわりと浮かぶ湯気に、Aは満足そうに頷いた
「それじゃあXANXUSさん、失礼させてもらいますね」
「あぁ」
Aはお湯でタオルを絞り、XANXUSの首元の凍傷にゆっくりと当てた
その様子を見ていたベルは、うずうずと肩を揺らす
そして、耐えきれなくなったベルは口を開いた
「王子も手伝ってやろうか?」
「いいんですか?」
Aが驚いたように尋ね返すと、ベルはタオルをお湯に浸けた
「うししし!なんたってボスの為だし!」
「ではお言葉に甘えて…よく絞って下さいね?火傷したーなんて笑えませんから」
「そんなミスするわけねーじゃん!オレ王子だもん」
そう言いながは、ベルはXANXUSの頬にタオルを当てる
「…熱い」
「すいません。もしかしたら痛みや痒みも出てくるかも…」
凍傷の治療法は急速に温めるというのが一般的だ
しかし、8年も氷の中という前例の少ない事態で起きた凍傷
マーモンに良いステロイド剤を探すよう依頼してあるが、果たして効くかどうか…
「ベル…いくつになった」
「オレ?16だよ」
「そうか…」
「あ、体感的には…XANXUSさんと同い年ですね」
Aがそう言えば、ベルも思い出したように声を上げた
「そっか。オレ、ボスと8歳差だったんだ…」
「…でかくなったな」
そう言いながら、XANXUSはAを見る
「てめぇも…大分女らしくなったじゃねぇかカスアマ」
「結構努力したんですよ…医師免許はもちろん機械だって、死ぬ気の炎だって…銃だって」
Aが寂しそうに言えば、ベルも少しだけ目を伏せた
「見た目的に変わらねぇのはマーモンか」
「あのチビは中身も変わってねーよ」
XANXUSの言葉に即答で返したベルに、Aは思わず吹き出した
「ちょっと、どういう意味だい?ボスの薬代、君から請求するよベル」
「あ、マーモンさん!」
ふよふよと飛んできたマーモンに、Aは顔を上げる
マーモンは手に塗り薬を乗せると、おもむろにXANXUSの顔に触れた
「ちょっとベタベタするけど、擦ったらだめだよ」
「…ああ」
マーモンの手は…あまりにも小さく…そしてやわらかく
最強のアルコバレーノの術師とは思えなくて
「あ、いいな!面白そう!」
「ちょっとベル、遊びじゃないんだよ」
ベルもマーモンから薬を強奪して、XANXUSの腕に塗り始める
その変わらない無邪気な顔や手つきをした少年が、切り裂き王子とは思えなくて…
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ユリスタ(プロフ) - ゆっくりノワールさん» なるべく鬼畜にしないよう心がけたんですが、無理でした←ありがとうございます、更新頑張ります!! (2017年12月31日 1時) (
レス) id: 6a14379c02 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっくりノワール(プロフ) - わー………９代目ってこんな鬼畜でしたっけ((更新頑張ってください (2017年12月30日 2時) (レス) id: 6f03c68297 (このIDを非表示/違反報告)
ユリスタ(プロフ) - イヴさん» ありがとうございます！原作と照らし合わせながらの更新なので、少し遅くなるかもしれませんが頑張ります！ (2017年12月29日 19時) (レス) id: 6a14379c02 (このIDを非表示/違反報告)
イヴ(プロフ) - 面白いです！続き期待しております！ (2017年12月29日 8時) (レス) id: 2af4348fb2 (このIDを非表示/違反報告)
ユリスタ(プロフ) - フ瑠ランさん» ありがとうございます!!フ瑠ランさんの作品にもお邪魔させて頂きますね! (2017年12月12日 18時) (レス) id: 6a14379c02 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユリスタ | 作成日時：2017年12月12日 9時
