ヴァンパイアに恋しちゃいました【M!LK】④ (ページ49)

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サーノリア「マリィイイ！！！
止まれよ……！！
止まってくれよ！！！」

マリーの胸からあふれ出る流血を止めようとサーノリアは必死に手を押し当てる。
それが、無駄だとわかっていても。

マリー「…………」

そして、彼女はもう二度とサーノリアに微笑むことはない。
何を言うことも、ない。
ただ静かに、彼女は彼の腕の中で安らかに眠りについていった。

サーノリア「ぅ……ぐっ……あああああああああああああ！！！！」

静かな森に、涙にくれるサーノリアの悲痛な叫びだけが木霊する。
彼にはもう、誰もいない。
仲間も、家族も、大切な人も。

それからというもの、彼は彼女の最後の願いを果たすため、一人、孤独に生きた。
彼女の分を取り戻す様に、生き続けた。
シオックの戦士達の目をかいくぐり、生き続けた。
いつ叶うとも知れない夢の為、人間の血を我慢して、動物の血を啜りながらどうにか生き続けた。
しかしながら、彼女を自分の手で貫いてしまった兄は、それからの長い年月でヴァンパイアの王であるサーノリアに恨みを募らせ、一人前の熟練の戦士として成長していくこととなる。
そしてその戦士の剣により、サーノリアはその身を貫かれ敗北することになるのだが、それはまた別の話である。

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