ヴァンパイアに恋しちゃいました【M!LK】④ (ページ47)

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マリー「ぅっ……」

マリーの真っ白な修道服が、真っ赤な血で滲んでいく。
じわじわと、目の覚めるような真っ赤に。

サーノリア「マ、マリー……？」

サーノリアは、目の前の出来事が信じられなかった。
真っ直ぐに自分の心臓めがけて襲い来る切先は、彼に届くことはない。
自分の目の前に立ちはだかった最愛の女性の胸に、鋭い剣が突き刺さっていたのだから。

兄「あ、あぁ……？！あああああ？！」

マリーはサーノリアを守るため、自らの身を犠牲にし、兄の剣をその胸で受け止めたのだ。
彼女の体が、静かに崩れ落ちていく。
サーノリアはそんな彼女の体をその腕でしっかりと抱き抱えた。

サーノリア「マリー……。
なぁ、マリー……？
マリー！！！」

兄「お、俺が、マリーを……？」

自分の手を見つめ、兄はその場で膝をつき、放心状態で動かなくなった。
妹を守るために剣を振るったはずなのに、その剣で彼女を突き刺してしまったのだ。
剣の扱いも知らずに、勢いだけで振るった剣が、彼女の胸を。

サーノリア「嫌だ……マリー……！嘘だろ……？！
なあマリー！！！返事してくれ！！！！」

滲む眼前を拭いながら、サーノリアは必死に自分の腕の中で静かに瞳を閉じる彼女に呼びかけた。
すでに彼女の服は血で真っ赤に染まり、地面やサーノリアの体は彼女の血で赤黒い色に染まっていく。