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94. ページ45

楽しい時間はあっという間に過ぎ、もうアンコールにさしかかる。

客席が一体となってアンコールと叫ぶ。

着替えた6人が登場するとモニターの向こうはものすごい歓声に包まれる。

私は6人の衣装を見てあれ?と思った。

いつもの衣装と違う。そしてあっ!と気づく。

6人の腕には私が前にあげたリストバンドが嵌められていた。

リストバンドが見えるようにいつもは長袖だった衣装が半袖や七分袖になっていた。

きっと私がただのファンであってもお揃いのリストバンドしてるとわかるであろう。

1度落ち着いた涙もまだ出るのかというほどに再び溢れてきた。



〜〜


「Aちゃ〜ん!どうだった?ちゃんと見てくれた?」

『はい!もう…本当にありがとうございます!』

「もしかして………」

健くんがグッと顔を近づける。

「泣いてたな〜??」

ウリウリとほっぺを潰されて

『泣いてないし!』

と意地を張る。

『健くんこそ泣きそうだった!』

「俺は泣きません〜」

意地っ張りめ。

楽しくて、笑いながらうっかり涙も零れる。

「あ、泣いてる」

剛くんにしっかり見られてしまった涙は隠せるはずもない。

『泣いてない!汗だから!』

でも構わず意地を張る。

楽しくてしょうがない。

幸せでしょうがない。

「いい顔してんねー」

坂本くんにそう言われたら

『幸せだから!』

胸を張って言える。

長野くんに

「もう泣かないの?」

ってからかわれたって

『だから泣いてない!』

と可愛げもなく返す。

岡田くんは無言でシャッターを切る。

だけどピースで返すと

「そういうのは別にいらない」

と言われてしまう。

『なにそれ〜!』

と大袈裟なリアクションをすれば、

「まあ落ち着いて」

と井ノ原くんに宥められて。



そんなことの繰り返しが私を幸せにする。



「Aちゃん俺らに惚れ直したでしょ?」

『ない!マネージャーだし!』

「Aちゃんはつれないな〜」

『マネージャーだから!』

「誰に1番惚れ直した?」

『話聞いてた?』

「俺でしょ」

『ダメだこりゃ…』

「そろそろ落ちた?」

『落ちたって何!?ないから!』

「え〜誰におちたの?」

『だから〜!


私は誰にも落ちません!』




Fin

作者より→←93.



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それ(プロフ) - みるくプリンさん» みるくプリンさんありがとうございます。前作でもコメント頂けて嬉しかったです!次のお話も気長にお待ちいただけると嬉しいです(^^) (2020年12月5日 22時) (レス) id: 11ffe0d4ff (このIDを非表示/違反報告)
みるくプリン(プロフ) - 完結おめでとうございます&お疲れ様でした!いつも楽しく読ませて頂きました。新作も楽しみです。これからも頑張って下さいね。あ、右の星をポチらせていただきました~(*^^*) (2020年12月5日 17時) (レス) id: e740d416ca (このIDを非表示/違反報告)
それ(プロフ) - ゆきさん» ありがとうございます!のろのろ更新ですが温かく見守って下さるとうれしいです! (2020年10月10日 16時) (レス) id: 11ffe0d4ff (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - とても面白いですね!続き楽しみにしてす!! (2020年10月4日 19時) (レス) id: f016a9c02b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:それ | 作成日時:2020年3月22日 23時

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