私は誰にも落ちません！2

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森田side


Aのストーカーを捕まえた日から一夜明け、今日からまたツアーで地方に行く。

Aは昨日の事情聴取をしてから来ることになり、今日は6人での移動である。

コンサート本番までに間に合うかな、なんて移動する車内の中で彼女のことを考えていれば

｢昨日はお手柄だったね〜、剛！｣

と隣に座っていた健が話しかけてくる。

それに続いて

｢ほんとね〜、でもここ最近ずっとAちゃんのこと見張ってたわけでしょ？｣

と井ノ原くん。

｢人聞きがわりーな｣

見張ってたといえば見張っていたが、あくまで悪いやつがいないかを見張ってたわけで。

そう頭の中で言い訳を考えて、口にするのはやめた。

｢でもAちゃんがそんな目に遭ってたなんて全然わかんなかった｣

坂本くんがポツリとこぼした一言によって生まれる少しの間。

｢……だからさ、俺考えたんだけど｣

岡田の発言にみんなが耳を傾ける。

｢Aちゃんと、もっと仲良くならないとダメだなって｣

きっと、マネージャーとしての距離感をなくしたいということだろう。
静まった空気が少し和らぐ。


｢そうだよな！もっと仲良くするべきだよな〜！｣

広くもない車内で井ノ原くんが岡田に肩を組みにいく。健も便乗してくっつきにいった。

｢俺たちだけで仲良くしても意味ないんだよ〜｣

井ノ原くんと健にもみくちゃにされている岡田にSOSの視線を向けられたが、頑張れ、と念じて目を逸らした。

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