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一週間前に、私の一方的な理由で逃げてしまったというのに、モニター越しにはどこか緊張した面持ちの二人の姿。
『…は、は〜い』
とりあえず、モニター越しに対応する。なんたって、合わす顔がないのだ、物理的に。
この一週間ひどい生活をしていたせいか、顔のむくみやクマがひどく、見せられたものではなかった。
「Aちゃん?ねぇAちゃんだよね?」
焦った様子の井ノ原くんが、私の名前を呼ぶ。
『………はい』
「ねぇ!顔見せてくれないかな、お願い!」
この顔で会えないよ……と頭では思いつつも、フラーっと玄関の方に向かう。
ガチャッと扉を少しだけ開け、顔を覗かせる。
「Aちゃん!!」
井ノ原くんが私の名前を大きな声で呼ぶ。
できるだけ顔を見られたくないと思ってチラと井ノ原くんの顔を見上げると私の方がギョッとしてしまった。
井ノ原くんの目には涙が溜まっていたのだ。
今にも溢れそうな涙を見て、オロオロする私。
『え、えっ…………と…………、井ノ原…さん…?』
思わずさん付けになってしまう。
「井ノ原"さん"なんて、呼ばないでよ…」
もう一度井ノ原くんと目を合わせると今度は井ノ原くんの目から涙が零れていた。
『えっ……!?あ、あの、井ノ原くん…』
さすがにこのまま外にいては色々な意味でまずい。汚い私の部屋にあげるのは躊躇われたが、緊急事態だったので扉を大きく開ける。
『すいません、とりあえず上がって………』
すかさず、井ノ原くんの隣にいた健くんが
「こっちこそ急にごめんね」
と謝罪をしつつ、玄関の中へと入った。
続いて涙を拭いながら井ノ原くんも入る。
〜〜
とりあえず片付いていない部屋に井ノ原くんと健くんを上げて、話をする。
『ごめん、こんな汚い部屋で…』
「いや…いいけど……いつもこんななの?」
いつもとは違い静かな井ノ原くんに代わって、健くんが私に質問する。
『いつもはもうちょっと綺麗なんだけど、この一週間で…こんなになっちゃった……』
こんな状態を見られて恥ずかしくてへらりと笑う私に、心情を察したかのように
「そうなんだね」
と健くんが優しく返事をしてくれる。
「ねぇ、俺たちの話、聞いてくれる?」
そう切り出した健くんに、私はこくんと頷いた。
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それ(プロフ) - みるくプリンさん» みるくプリンさんありがとうございます。前作でもコメント頂けて嬉しかったです!次のお話も気長にお待ちいただけると嬉しいです(^^) (2020年12月5日 22時) (レス) id: 11ffe0d4ff (このIDを非表示/違反報告)
みるくプリン(プロフ) - 完結おめでとうございます&お疲れ様でした!いつも楽しく読ませて頂きました。新作も楽しみです。これからも頑張って下さいね。あ、右の星をポチらせていただきました~(*^^*) (2020年12月5日 17時) (レス) id: e740d416ca (このIDを非表示/違反報告)
それ(プロフ) - ゆきさん» ありがとうございます!のろのろ更新ですが温かく見守って下さるとうれしいです! (2020年10月10日 16時) (レス) id: 11ffe0d4ff (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - とても面白いですね!続き楽しみにしてす!! (2020年10月4日 19時) (レス) id: f016a9c02b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:それ | 作成日時:2020年3月22日 23時