子猫と勘違いして煉獄兄弟拾って来てしまった女性の話。

にゃんが十匹 ページ10

「「いただきます」」


千寿郎くんと二人でご飯を食べる。
ちなみに杏寿郎さん(五歳)はお休み中である。


それにしても千寿郎くんの料理上手さといったらもう。
驚きで固まってしまうレベルである。

一応昔から料理をしていた私よりも見た目も綺麗で、美味しくて。


チラリと千寿郎くんを見ると、ニコッと微笑まれる。
あぁ、困り眉が素敵だ。



「千寿郎くんってもう女性に求婚されまくりなんじゃない？」
「えっ、えぇ？僕ですか…？」
「そうそうっ、もう料理もできて、優しくて、みんなが放っておくわけがない！」
「あはは……僕は……女性からの求婚なんて…そんな」


少し恥じらう千寿郎くん。
謙虚な姿勢も高得点ときた。



「千寿郎くんの世界ってどんな感じなの？やっぱり大正時代だから色々違って大変でしょう？」
「最初は驚きました…！台所の道具がすごくてっ、あとはあの箱には驚きました！」
「あぁ、電子レンジ？」
「あとはあれです！」
「炊飯器だね」



千寿郎くんは目を輝かせていた。
もう超可愛いじゃないか。家庭的な男性はこの時代にうろついていたら、とって食われているよ。
千寿郎くん、危なかったね。



「お風呂もボタンひとつだなんて…！僕、驚き過ぎて…僕の世界は全て火を起こすのも自分でしないといけないので…」
「頑張っているんだね…！千寿郎くん……！！」


私は感動を噛み締めながら、ご飯を噛み締める。



「あぁ、Aさん」
「ん？」


千寿郎くんは箸を置いて真面目な顔になった。
え、何。何か重大な告白？


少しドキドキしながら、私も箸を置いて、千寿郎くんを見つめた。





「兄上……起こしますか。そして、戻しますか」
「っ！！！」




確かにそれは重大な問題だった。
このまま寝かしておくと、私達が寝静まった頃に目を覚まし、鬼殺隊ごっこを始めてくるだろう。
しかし、ここで無理矢理起こすと、機嫌が悪くなって暴れ出すのも嫌だ。



「千寿郎くん、確かにこれは重要案件だね」
「はい……、兄上の鬼殺隊ごっこは死亡者が出る可能性が高いです」
「わかります。家が崩壊する可能性も無きにしも非ず…」



杏寿郎さん(五歳)の暴れっぷりはとんでもない事は今日の事で千寿郎くんも身に染みて感じて居るようだった。あの恐怖運転は二度とごめんだ。


「っうぐっ、うぅ…」


「「ん？」」


何やらベッドの布団が動き出した。
まさか、起き＿＿＿＿＿！！


私達は走り出した。

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