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二十五 ページ25




「はぁ、ダメだ…」


ペンを置いてカーテンを開けて、窓の外を見るとまだ雨が降っている。
いつもは胸が引き裂かれるような苦しさで涙が止まらないのに、今日は頭の整理が追いつかず、苦しい。


「夜ご飯作らないと…っわぁ!!」


部屋を出ると、部屋の前で杏寿郎さんが立っていたものだから驚いてしまう。
もしかしてあれからずっと立っていたのだろうか。


「A」


また優しく呼ばれるので、私はつい顔を逸らしてしまった。


「ごめんなさい…やっぱりまだ杏寿郎さんが許せないです」
「…君を怖がらせてしまった。守護霊にあるまじき行為だった。すまなかった」


私は無言で階段を降り、キッチンに向かい、夜ご飯の支度を始めた。杏寿郎さんは私から離れられない為、傍にいたが、一切会話はしなかった。
こんな暗くて重い雰囲気にしたくなかった。
だけど、簡単に整理できるほど、私の心は広くない。



二人分の料理を机に置く。

「っ、…俺の分もあるのか?」


頷くと、杏寿郎さんは嬉しそうに目を細めて「ありがとう」と言う。
その優しさに罪悪感が押し寄せる。
杏寿郎さんが悪いはずなのに、なのに…。



「いただきます…」
「いただきます!」


杏寿郎さんをチラリと見ると、美味しそうに食べている。



「杏寿郎さん」
「…ん、なんだ?」

箸を置いて、杏寿郎さんがこちらを見た。


「私…」
「あぁ。Aは俺を許す事なんてしなくていい。俺は確かに許されないことをしたのだから。嫌いになってくれてもいいんだ。これから俺を無視しても構わない」
「っ…!そんな…」
「俺は君の守護霊だ。君と離れる事はできないが、君が俺を必要と思わなければきっとまた見えなくなるだろう。俺が居ないも同然だ」



違う、そんなこと…言いたいんじゃなくて、私は、もうあのような事はしないと約束してもらって、それでまた、楽しく────





「杏寿郎さんっ、待って…、お願いだから、そんな悲しいこと言わないでください!!」


杏寿郎さんが居なくなるのを想像したら涙が溢れて胸が引き裂かれるように苦しくなった。



「っ、居なくならないって、や、約束しましたよね…、私が杏寿郎さんに居なくなって欲しいなんて思うわけないじゃないですかっ…どうして…どうして…」





箸がカランッと音を立てて床に落ちた。



「どうして…って?」


杏寿郎さんは悲しそうに笑った。


「A、君は酷いなぁ」

二十六◇→←二十四*



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(プロフ) - 三月の専属ストーカーなつめみくさん» こんばんは!この作品も私の笑いのツボを集結させておりますので、ツボが浅いと言われたら、私も同じです(/ω\)腹筋シックスパックだなんて!羨ましすぎます!私も沢山笑ったらシックスパックに…!?面白いと言っていただけて嬉しいです!ありがとうございます!! (10月12日 21時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
三月の専属ストーカーなつめみく - さいしょのれんごくさんのよもや!とわっしょい!で吹きましたツボが浅いとか思わないでください。そして続きでまた吹きました。面白すぎて腹筋しっくすぱっくになりました。 (10月12日 21時) (レス) id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 華さん» 華さん、いつも来てくださりありがとうございます…!夢主ちゃんは兄貴のことを家族のように思っていたので動揺が隠せないようです(*´-`*)しかしこの日を境に意識せざるえなくなるので、ここから動き出しますっ!こちらこそ、嬉しいコメントをありがとうございます! (2021年7月7日 11時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ゆうさん» 大切な読者さまであられる、ゆうさまにそう言っていただけて、嬉しいです(//∇//)ありがとうございます…!兄貴サイコーですよねっ。毎日楽しみにしてくださるなんて光栄ですっ!これからも気合いが入りますっ!素敵なコメントありがとうございました!m(_ _)m (2021年7月7日 11時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - あきちゃん、こんばんは(*´ `)兄貴、とうとう動きましたね。でも夢主ちゃんは兄貴の事を、恋愛対象としては見てないのかな…?それだと見守るしかない兄貴は辛いですね。続き楽しみにしています!素敵な更新ありがとうございました! (2021年7月7日 1時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年2月13日 19時

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