十二 ページ12
風呂から上がって、バスタオルを身体に巻いて着替える。
杏寿郎さんには脱衣場からは出てもらっている。
きっと、私の裸とか杏寿郎さんの方からお断りなんだろうけど、本当にごめんなさい。
私はまだ高校生で、裸見られても気にしない、とかそんな域に達していないのだ。
『君の裸を見ようとするやつは直ぐに斬首する!!』
声が全く冗談を言っているような声ではなくて、やっぱり杏寿郎さんは過保護だと思う。
斬首って、怖すぎるよ!!
私の家が殺人現場になるのだけは避けたい。
寝間着に着替えて、扉を開けると、目の前に杏寿郎さんが居て心臓が止まりそうになる。
「きょ、杏寿郎さん!!驚かせないでくださいよ……ふぅ……」
「すまない!!君からあまり離れる事が出来なくて、ここが限界なんだ!」
「私から離れ過ぎるとどうなるんですか?」
「……強制的に君の所に飛ばされる」
「えっと、例えば、風呂場にいたら……」
「……うむ」
その場が静かになる。
私はニッコリ笑って、杏寿郎さんを見た。
「引き続き、よろしくお願いします!!」
「うむ!」
***
「A、髪を乾かさないと、風邪を引いてしまうぞ」
「ある程度タオルで乾かしてからドライヤーします〜」
髪をタオルで巻きながら、ペンを走らせる。
「そう言って、君はいつもそのままベッドで寝るじゃないか」
「ドライヤーめんどくさいです」
「ほら、君は可愛いんだから、ドライヤーで髪を整えないと、少女漫画のような青春は送れないぞ?」
「分かりました!!」
私は部屋から出て、階段を降りて、洗面所に向かう。
上手く杏寿郎さんに言いくるめられた気がするが。
「少女漫画のような青春送りたい〜」
「うむ、なら、ちゃんと乾かすことだな」
「杏寿郎さん、私、可愛い?」
「うむ、世界一可愛いぞ?」
爽やかスマイルな杏寿郎さん。
カッコイイから、なんか羨ましい。
あぁ、ダメだ。
杏寿郎さんの意見は参考にならない。
杏寿郎さんは生まれた時から私を守ってたらしいから、完全に保護者枠だ。
親は自分の子どもが一番可愛いと言うから、杏寿郎さんもそっち側だ。
「杏寿郎さん」
「む?」
「私の学校の子でめちゃくちゃ可愛い子いましたか?」
「うむ!」
「誰!?」
杏寿郎さんは笑顔で言った。
「Aに決まっているだろう!」
ダメだ、こりゃ。
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丸(プロフ) - 三月の専属ストーカーなつめみくさん» こんばんは!この作品も私の笑いのツボを集結させておりますので、ツボが浅いと言われたら、私も同じです(/ω\)腹筋シックスパックだなんて!羨ましすぎます!私も沢山笑ったらシックスパックに…!?面白いと言っていただけて嬉しいです!ありがとうございます!! (10月12日 21時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
三月の専属ストーカーなつめみく - さいしょのれんごくさんのよもや!とわっしょい!で吹きましたツボが浅いとか思わないでください。そして続きでまた吹きました。面白すぎて腹筋しっくすぱっくになりました。 (10月12日 21時) (レス) id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
龝(プロフ) - 華さん» 華さん、いつも来てくださりありがとうございます…!夢主ちゃんは兄貴のことを家族のように思っていたので動揺が隠せないようです(*´-`*)しかしこの日を境に意識せざるえなくなるので、ここから動き出しますっ!こちらこそ、嬉しいコメントをありがとうございます! (2021年7月7日 11時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
龝(プロフ) - ゆうさん» 大切な読者さまであられる、ゆうさまにそう言っていただけて、嬉しいです(//∇//)ありがとうございます…!兄貴サイコーですよねっ。毎日楽しみにしてくださるなんて光栄ですっ!これからも気合いが入りますっ!素敵なコメントありがとうございました!m(_ _)m (2021年7月7日 11時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - あきちゃん、こんばんは(*´ `)兄貴、とうとう動きましたね。でも夢主ちゃんは兄貴の事を、恋愛対象としては見てないのかな…?それだと見守るしかない兄貴は辛いですね。続き楽しみにしています!素敵な更新ありがとうございました! (2021年7月7日 1時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)
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