二 ページ2
杏寿郎さんと出会って二日目。
「ほら、A。学校に遅れてしまうぞ!」
「…」
「A」
耳元で囁かれて背中がゾクリと震えて目が覚める。
「ああぁ!!はいっ!起きます!」
この守護霊___二日目にして危険すぎると判断している私。
なんだこの色気守護霊は。
急いで制服と鞄を持って階段を降りて、用意されている朝ごはんを食べる。
私の家族は父と私の二人暮し。
母は少し前に交通事故で他界した。
朝食、ずっと一人だと思っていたけど……。
ちらりと前を見ると、目を細めて笑う杏寿郎さん。
まさかずっと居たとは____。
「ほら、ご飯粒がついている。」
「…すみません」
「謝らなくていい。君と俺は切れない糸で結ばれている。今更恥ずかしがることも無いだろう?」
この意味深発言。
なかなか危険だ。
しかし、基本的にぽわぽわしているので、無自覚なのかもしれないが……。
とにかく危険である。無自覚が一番タチが悪い。
「…私、あの…制服に着替えるのでちょっと後ろ向いてて貰っても…?」
食事を済ませたあと、散々長引かせていた着替え。
しかし着替えなければ、学校に行けない。
「うむ!」
クルッと背を向けた瞬間、急いで着替える。
ワイシャツを着て、スカートを履いて、リボン付けて、セーター着て、ブレザーも着る。
「A、いいか?」
「はい!終わりました!」
炎のような羽織を羽織っている杏寿郎さんがふわりと振り返る。
「うむ、A、少しリボンが曲がっている。それと、スカートもう少し長くできないのか?くるぶしまでのスカートはないのか!?危険だ……危ない」
くるぶしまでのスカート履いて行ったら校則違反で私先生に止められちゃうよ。杏寿郎さん。
物凄い過保護っぷりを見せつけてくる杏寿郎さん。
完全に保護者だ。
「あの、杏寿郎さん、もう、行きますね?」
「うむ」
弁当を持って、家の鍵を閉めて、倉庫から自転車を出す。
「杏寿郎さん、行きますよ」
「うむ!!」
自転車を漕ぐとすぐ横をふわふわと飛んでついてくる杏寿郎さん。
…なんか可愛い。
幽霊だけど。
「A」
「はい?」
「今日は午後から雨が降るらしい」
「______っ、分かりました」
グッと、唇を噛み締めると、優しい声が聞こえた。
「大丈夫だ、俺が傍にいる」
杏寿郎さんやはり私の守護霊で、厄介な事もしっかりと把握していた。
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丸(プロフ) - 三月の専属ストーカーなつめみくさん» こんばんは!この作品も私の笑いのツボを集結させておりますので、ツボが浅いと言われたら、私も同じです(/ω\)腹筋シックスパックだなんて!羨ましすぎます!私も沢山笑ったらシックスパックに…!?面白いと言っていただけて嬉しいです!ありがとうございます!! (10月12日 21時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
三月の専属ストーカーなつめみく - さいしょのれんごくさんのよもや!とわっしょい!で吹きましたツボが浅いとか思わないでください。そして続きでまた吹きました。面白すぎて腹筋しっくすぱっくになりました。 (10月12日 21時) (レス) id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
龝(プロフ) - 華さん» 華さん、いつも来てくださりありがとうございます…!夢主ちゃんは兄貴のことを家族のように思っていたので動揺が隠せないようです(*´-`*)しかしこの日を境に意識せざるえなくなるので、ここから動き出しますっ!こちらこそ、嬉しいコメントをありがとうございます! (2021年7月7日 11時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
龝(プロフ) - ゆうさん» 大切な読者さまであられる、ゆうさまにそう言っていただけて、嬉しいです(//∇//)ありがとうございます…!兄貴サイコーですよねっ。毎日楽しみにしてくださるなんて光栄ですっ!これからも気合いが入りますっ!素敵なコメントありがとうございました!m(_ _)m (2021年7月7日 11時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - あきちゃん、こんばんは(*´ `)兄貴、とうとう動きましたね。でも夢主ちゃんは兄貴の事を、恋愛対象としては見てないのかな…?それだと見守るしかない兄貴は辛いですね。続き楽しみにしています!素敵な更新ありがとうございました! (2021年7月7日 1時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)
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