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煉獄さんと甘味処に入り、冷たいお茶を飲みながら休んでいると、煉獄さんは口を開いた。



「そもそもなぜ、藤宮さんは俺を描きたいんだ?」
「え?」



私は湯呑みを置いて、うーんと唸ったあと、言った。



「煉獄さんは輝いているので」
「む?」
「私を助けてくれた時の煉獄さんが輝いていたので」



私は鉛筆と紙を取り出して、軽く円を描いて、そこから煉獄さんの髪型を描いていく。





「ここの髪が可愛いくて、ほら、ピョコッてなっているところ…そして、ここの髪が揺れると、炎みたいで…あ、あとはですね!」
「藤宮さんは大胆な女性だな!!」




顔をあげると、恥ずかしそうにしていた煉獄さん。
…目は大きく見開いているが、焦点が合っていない。



煉獄さんも動揺する事、あるんだ。




「煉獄少年、どうされました?」
「むぅ!!わざとだな?藤宮少女!!」




口元に手を合わせて笑ってしまう。
その様子を見て、煉獄さんも眉を下げて笑う。


帳面にはまた煉獄さんのスケッチが増えた。


二人で餡蜜を食べ、緑茶を飲み終わったあと、店を出た。
日が傾いていた。






「うむ!では藤宮さん、俺はこれで!」
「任務、ついて行かせてください…」
「うむ!ダメだ!!」




煉獄さんは、はっはっはっ!と笑って羽織を翻し、行ってしまった。




こっそりついて行こうかな…?
別に煉獄さんの邪魔をするつもりは無い!そう。こっそりついて行くだけ。


午後三時、私は煉獄さんを追跡します!







***







「藤宮さん!!」




バッと振り向かれて、私は反射的に固まってしまう。
追跡開始して、五分で見つかった。




煉獄さんはズンズンとこちらに大股で向かってきて、私を見下ろす。



「藤宮さん!!」
「…人違いです」



ふいっ…と顔を逸らし、あまりにも見苦しい演技をする。



「俺が今から行く所は本当に危険な場所だ。君は死にたいのか!!」




ピシャリッと厳しい声で言われてしまった。
確かに煉獄さんの言うとおりだ。

鬼との闘いは甘くはない。







「煉獄さんから目を離したくないんです」
「っ……?」
「この上なく尊い方だから……」


煉獄さんの目がさらに大きく見開かれる。


「……どうして君は今にも泣きそうなんだ」



戸惑っている瞳は私を映していた。

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古猫丸(プロフ) - 柑橘蛍さん» 柑橘蛍様!いつもコメントありがとうございます(*´ω`*)そうなんですよね!主人公ちゃんめちゃくちゃ高難度の技をやってのけているんですよ!!軽く大まかな事を描いて、後付けでじっくり描いていたのではないかな〜と思います!(*´艸`*) (2021年5月3日 6時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
柑橘蛍(プロフ) - 完結おめでとうございます!よく考えたら主人公ちゃん静物じゃなくて動物スケッチしてるんですよね…すご。 (2021年5月3日 0時) (レス) id: e14d5de1d5 (このIDを非表示/違反報告)
古猫丸(プロフ) - 華さん» 今回は珍しく兄貴切り抜け話だったので、レア中のレアです!この話も一番最初に話を練ったときは兄貴はそのまま見届けられる感じで、来世の話も無しの一番切なかったのですが、やっぱり幸せエンドにしました(*´-`*)次回作、頑張りますっ〜!(*´▽`)ノ (2021年5月2日 23時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
古猫丸(プロフ) - 彩乃(yumeko)さん» 彩乃(yumeko)さん、コメントありがとうございます!(*´∇`)旅館のシーンは他の話と比べてちょっと甘めですよね!(*´艸`*)ふふふ。こちらこそ最後まで目を通していただき、ありがとうございました!m(_ _)m (2021年5月2日 23時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 丸ちゃん、完結おめでとうございます(*´ `)最後、煉獄さんが無限列車を切り抜けて良かったと思いました!二人が幸せな結末で良かったです。次のお話も楽しみにしていますね! (2021年5月2日 22時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年2月27日 18時

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