最後のメールと手紙(ラブレター) ページ29
悟(ああ、これから何しようか傑は大丈夫か
硝子は驚いただろうな
後輩達は無事にこちらに戻って来れただろうか…
そういえば黒井は生きてたって聞いたな…
天内の遺体を取り戻してこないとな)
ブーブー…小さな機械音､五条の携帯の受信音が鳴り響いた
ポケットから取り出したそれに表示されたアドレスは未登録のものでこんな時に迷惑メールかと内心で思ったが流し見たメールの件名に一瞬、思考が止まった
メールを1件受信
件名:ありがとう 天内A
メールが届かなかった時のために手紙も書いたんですが
このメールを読んでるってことはちゃんと届いたのですね
そして私は死んでいるかもしれない
まだ私が近くにいるなら見なかったことにして削除してください
お願いします絶対にお願いします
制服のポケットにある手紙は捨ててください
メールも読んだら捨てくれて大丈夫です
あなたの未来に私は必要ありませんから…
けど夏油さんと黒井に手紙を渡してほしいです
それと今だけは私のことを知ってほしいです
五条はなんで…って思ってるかもしれないけど
私は私の命が同化前に気のせいかもしれませんが死ぬ気がしたからです
この文を読んで怒ってるかもしれませんね…
けど、同化しても死んでも保険で貴方に届くようにしました
まずは自分の睡眠削ってまで、ずっと術式をはって私を守ってくれてありがとう
私のワガママでたくさん振り回してごめんなさい…
２人のときには話せなかったことを話しますね
私は…小さい頃4歳の時だったかな…
両親が交通事故で亡くなりました
詳しいことは正直、曖昧で…本当に事故だったのかは怪しいけど今ではもうわかりません
父･母のことはあんま覚えてないけど記憶の奥底に覚えてることもあるの
両親は…母は自分が死ぬってわかっていたのか、事故前日にアクセサリーを渡してきました
そうあのピアス･ネックレス･指輪です
母はネックレスと指輪を大切な人ができたら渡しなさいって言ってたんです
ピアスは学校以外は着けていなさいとあなたを守ってくれると…
母はわかっていたんですかね…
今ではもうわからないけど…
こうもいってました
"あなたは特別なの生まれたときから特別なの"と
けど、だからこそ後悔しないように精一杯いきなさいと
母と父はいつでもそばにいると…
それが本当に嬉しかった
見えなくても、いつでもそばにいてくれる気がして…
悟｢天内…｣
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作者名：卯月 | 作成日時：2021年7月16日 4時
