鬼が12匹 ページ14
「 はぁ、はぁっ… 」
珍しく 息を切らしながら 先を急ぐ 不死川
向かった先は、蝶屋敷。
普段から決して、良いとは言い難い人相の不死川だが、今ばかりは、息を切らすほど 走ってきた為にいつも以上に人相が悪い。
慌ただしく、玄関口で物音がすれば 何事かと屋敷の使用人たちも集まってくる。
これは必然的な事で、誰かと思えば 泣く子も黙る
風柱 不死川 実弥 の 姿があれば 自ずと緊張が走る。
事の発端をまずはご説明しよう、
至って単純なのだが、
【 Aが目を覚ました 】
胡蝶の鎹烏は各地に散る柱の元へと この一報を伝令すべく飛び立った。
その一報を受け、いち早く 馳せ参じたのが 不死川だったのだ。
安心感やら、心配から多少なりとも湧いた怒りやらで心境が落ち着かぬまま、その勢いで 近くを通った使用人に詰め寄り肩を掴む
「 …Aの部屋まで案内しろっ、!!! 」
「 こ、こちらです 」
周りの、隊士や使用人は お気の毒にと 心の中で同情した。
冷や汗を背中にかきながら、事務的に、至って平常心を装い Aの部屋の前で立ち止まった、お気の毒な使用人は、コンコンと2度ノックをする。
中からは、胡蝶の声がした為に、心柱様に お見舞いの方がいらしゃっております。と カラカラの喉から声を絞り出して一言断りを入れた。
しのぶ「 客人だそうですよ、Aさん 。 」
胡蝶の言葉を 承諾と捉えた不死川は、不躾に扉を開け放つ。
上 裸 の状態 のAが視界に写り、困惑と彼の色香に当てられて 使用人は眩暈を覚えたのだとか。
『 心配かけたな、実弥 』
肌けた 着物を手馴れた様に整えながら苦笑いを浮かべるA
しのぶ「 ちょっと、不死川さん!!!何してんですか、相手は病人ですよ??!」
彼の上に跨る不死川を必死で止める胡蝶。
襟首を掴まれても、抵抗しない Aに不死川は怒りをぶつける。
彼に 胡蝶の声は届いてなどいない。
「 乙 の 隊士を守って、負傷だァ?? お前が そんな成りじゃ元も子もねぇだろうが。 」
危機管理が甘ェんだよ、馬鹿がっ、!!! と 続け様に怒られても、Aからは うん、ごめん。と謝罪のみで 反論は無い。
こうも、落ち着き、反省の色を見せられては、不死川もこれ以上は言葉に出来ず、彼の上から退き ベットへ腰をかけ ガシガシと頭を搔くだけだった。
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貢毛 - もう更新する事は無いんでしょうか(;;)この先を見たいです。更新待ってます (2022年2月17日 5時) (レス) @page39 id: c6db4a5986 (このIDを非表示/違反報告)
サージ・オーパル - いいですね、めっちゃ面白いです。焦らず、自分のペースで投稿してくださいね♪ (2021年2月4日 18時) (レス) id: b331457550 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - Quuさん» 全然!!!ほんとにご自身のペースで頑張ってください!! (2021年1月29日 0時) (レス) id: 0ee1851fa6 (このIDを非表示/違反報告)
Quu(プロフ) - あんこさん» ありがとうございます!長きに渡りお待たせしてしまい申し訳ないです (2021年1月28日 20時) (レス) id: 13d4e9d2bb (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - お久しぶりの更新お疲れ様です!!! (2021年1月28日 20時) (レス) id: 0ee1851fa6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Quu | 作成日時:2019年11月6日 20時