何色に染まる？2【すとぷり】

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弟に電話してくると言って、自室に戻る。



心を一旦落ち着かせ、言い聞かせる。



大丈夫。きっと大丈夫って。



『もしもし？』



箭内｢A？｣



泣いていたのだろうか、声が少し、暗い、それに、鼻声だ。



『どーしたの？泣いてた？』



箭内｢まぁ少し。A、落ち着いて聞いて、。｣



『うん？』



箭内｢俺、海外に行く事になった。｣



その瞬間、全ての音が消えた。



『うそ、、でしょ、、？』



箭内｢ごめん。近くでAのこと守るって言ったのに、Aのこと置いてったりなんかしないって言ったのに、、｣



『ううん。やなみが謝る事じゃないよ、。』



泣きたいのに、泣けない。いつも通り振る舞わなきゃ。



箭内｢それで、俺、日本には帰らないんだ。いや、帰れない。｣



『、、え？』



箭内｢で、さっき決まった事なんだけど、明日の始発で行くんだ。｣



『…………うそ。そんなの、うそ…。』



箭内｢ほんとなんだ、、。ごめん。｣



『……そっか…ありがとね知らせてくれて、私の事忘れないでね。大好きだったよ。』



言いたいこと、言ってしまおう。後悔しないように。



箭内｢うん。俺もだよ。また逢う日までな。元気でいろよ。｣



ツーツーと電話の切れた音がする。



もう、会うことは無い、いや、もう、会えないんだ。

きっと、やなみは結婚するんだ。海外で、。



今更になって、涙が溢れてきた。



ほらね、やっぱり、神様はいたずらが好きなんだよ。

どれだけ願ったって、好きな人の側に居れないの。
そんなの、おかしいでしょ？辛いよ。



外は雨が降ってる。私の気持ちに比例してるみたい。



廊下に出ると弟が心配して駆け寄ってきた。



弟｢どーした、泣かないで、A。｣



『ごめん。ちょっとだけ、こーやってていい？』



ちょっとだけと言い、ギュッとハグをする。

弟はどこにも行かないかな。



弟｢うん。いいよ。｣



これまでのやなみとの思い出が蘇ってくる。


2人で行った遊園地。
小さい頃、2人で隠れたクローゼット。

どんなときも2人して笑ってたな〜。
気付いたら、やなみのことばっか目で追ってて、やなみと話すだけで、心が跳ねて、その気持ちに気付いてからは、積極的になんなきゃって、ね。



好きになんてならなきゃ良かった。
好きって言う気持ちに気付かなきゃ良かった。

気付かず見て見ぬふりをすれば良かったな。








なんて





今更








後悔しても遅いんだよね。

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