むねはきっと大丈夫

じゅうご ページ16

岡本side


"こんな俺なんか、いらないんじゃないかって"



そう言って泣いているむねの背中をゆっくりさする。



いつもはあんなに逞しい日本の4番の背中が

今はどうしても小さく見える。



ファンはもちろん俺ら選手の期待が逆に苦しめていたと思うと申し訳ない気持ちでいっぱいになった。









ようやく落ち着いてきたむねに語りかける。



「ごめんっては言わない、

むねに期待するのはきっと当然のことだから。

あんなに凄い成績を残したんだから、そりゃみんな期待するよ」



「でも、誰にだって不調の時期はある。

俺もシーズン中全く打てない時とかあるから笑」



「そんな時は、まずたくさん話すわけよ色んな人と。

そうしたら俺って何に悩んでたんだろうって思えてくるから。」



村上「…」



「それでも、きつい時もあるよな。

そういう時は、俺のとこに来てよ。」



「辛い話、嬉しい話、どうでもいい話、全部聞くから。」



「むねはひとりじゃないってことをわかって欲しい。」




村上「俺、最近打てないのなんでかわかんなくて

でもみんなは着々と準備できてて、なんで俺だけって。

正直もう無理かもって、思って。

でも、やっぱりみんなと野球楽しみたいっ」



「俺もみんなもそう思ってる。

だから早く治して戻ってきて。待ってるから。」



村上「はいっ！！」



ようやくむねの笑顔が見れた気がする。

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