Valkyrieの強火オタクが魔王様と距離ができる話

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目を覚ました私は、もう一日の検査入院を経て、退院することになった
気づいたら9月ももう終わって、秋も深まりを見せていた



学院に戻ったら、あの雰囲気の中どうやって過ごそうかちょっと迷っていたけれど、そこは英智が上手く根回ししていてくれたみたいで、みんな遠巻きに私を見てきたりはしたけれど、手を出されたりすることはなかった



相変わらず五奇人叩きの噂は苛烈を極めていた
そのどれもこれもが根も葉もない噂だったけれど、みんなはそれを真剣に信じているみたいだった



宗さんは家に引こもるようになってしまって、深海もめったに学校には来ていないみたい
夏目や日々樹はまだ学校にちゃんといるみたいだけど、どのような扱いを受けているのか
想像するだけで胸が痛くなった



零は、相変わらず海外を飛び回っているみたい
まるで、戦場からも遠ざけられているような扱いで、仲間想いな零には辛い状況だろう
それに、普通の人より生きづらい体質を持つ彼の体調が心配だ



英智には、零に寄り添えって言われたけれど、どんなことしていいかわからない
多忙な零は世界各国を飛び回っているから会いに行っても次の国へ行ってしまったあとかもしれない
連絡先は消してしまったからもうわからない



せっかく守った交換日記は、病室で目覚めた時には既に手元になかった


零との繋がりが消えてしまったみたいで、切なくて、泣いた


けれど、『ずっと待ってる』のその文字を信じていたい






『待っていてね、零』





もうすぐ、冬がやってくる






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