ジャンルごちゃまぜ短編集vol.2 (ページ6)

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▼ hpmi :【拾われた石】碧棺左馬刻ページ6

これの続き

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あれから数日、左馬刻は屍のように燃え尽き、闘志のない目をしていた。
レイラの働いていたカフェに行くも、突然辞めたのだと言う。何処へ行ったのかを聞いても、店の全員聞いていないらしく足取りが掴めないらしい。

左馬刻の知人である警官、入間銃兎に捜索を頼んだのが昨日だが今の所音沙汰無しだ。せめてあの時連絡先を聞いておくんだったと左馬刻はらしくなく思う。ハア、と頭を抱えて路地裏でタバコに火をつけた時だった。

…路地裏から見える大通り、視界を横切ったあの横顔を左馬刻は知っていた。少し癖のある焦げ茶の髪の毛も、垂れた瞳も、透けるような白い肌も。瞳の細胞も、思考回路も全てがレイラだと、告げたのだ。
火をつけたばかりのタバコを放り投げて我武者羅に走った。後ろ姿でわかる、間違いない。

「おい…っ」

左馬刻はそう声を掛けてその細い手首を掴んだ。
沢山の人が通る中、2人のまわりだけ時が止まったようだった。レイラは振り返らない。

『…』
「あん時は悪かった…、お前に、レイラに、話てぇ事あんだ」
『…やだ』
「は？なんでだよ」
『忙しいので』
「嘘つけてめぇ絶対今から帰ってやけ食いしますって荷物もってよく言うな」
『う、うるさい…！誰のせいだと思って…！』
「俺様、だろ？その件で話、いいか？」
『…わかったよ…でも絶対振る気だよね？』
「いいから着いてこい」

そう言って人気のない…

『また路地裏？そろそろトラウマだよ』
「うっせーな！人気ねぇのここしかねーだろ」
『ふぅん』

レイラはさほど興味なさげに呟いて、荷物を地面に置いてその辺の箱に腰掛けて左馬刻の方へと顔をむける。左馬刻はタバコに火をつけて斜め上を見つめてかたまる。

『で？』
「お前さ、俺の事好きだって言ってたよな」
『急にだね。…まあ、』
「なんで」
『ええ～…、教えたくない…』
「いいから教えろ」
『…ちぇ。その目、だよ。
確かな意志と、プライドを持った目でね～、一目惚れだったんだよ？
…でももう終わりだね！これでいいんでしょ？…もう帰るね』
「待て」

レイラは地面に置いた荷物に手をかける。左馬刻の言葉と同時に突然掴まれた手首に驚き、下に向けていた顔をパッと上げた。
そこには真剣な顔をした左馬刻がいて、レイラの心臓がドクン、と一際大きく脈打った。

「好きだ」

ただでさえ大きなレイラの瞳が、さらに見開かれて固まった。

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まだ多分、続きます