ジャンルごちゃまぜ短編集vol.2 (ページ5)

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▼ hpmi :【蹴飛ばされる石の如く2】碧棺左馬刻ページ5

これの続き

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そうこうしているうちに左馬刻が漸く足を止めた。
＂あの日＂と同じ、狭い路地裏にレイラは内心ドキリとした。
片思いの相手に、突然会いにこられ、挙句連れ去られ、初めて会った場所とよく似た場所に連れてこられたら、レイラはそれはもう少しの期待をしてしまった。
しかしここで浮かれて、変な奴だと思われても嫌だしと、レイラは煙草をふかし始めた左馬刻をじっと見つめた。

「んだよ」
『ん？べ、別に』

プイッと顔を逸らして顔を真っ赤にしながら足元を見つめる。そう言えば今まで遠くから眺めるだけだったし、前も結構手当とかで顔見てなかったなあと思いながら、もう一度チラリと左馬刻の顔を見つめる。
端正な顔立ちに、男らしいながらも艶かしい表情。
ああ、好きだなあと思いながら、パッと顔を上げて左馬刻へと言葉を投げ掛ける。

『そう言えば、何か用だったの？』
「何が」
『…え？だって呼び出したじゃん』
「ああ、別に用はねーよ」
『…へえ』

先程までのスイートタイムはどこへやら。
左馬刻の言葉と態度に、突然の怒りがふつふつと湧いてきた。
呼び出したくせに？用はないだと？
やはり浮かれていたのは自分だけで、左馬刻にとって自分はただの暇潰しの道具でしかないのだろう。

『左馬刻、さ』
「あ？」
『左馬刻は、もっと男らしくて、悪そうに見えても、誠意のある人間なんだと思ってた』
「は？なんだ急に」
『～ッ！バカ！！』

レイラは、左馬刻が手に持っていた煙草を叩き落として、その胸倉を掴み、左馬刻の顔を自分の顔の前に持ってきて、訳も分からず涙を流しながら

『好きなんだよバカッ！…これ以上勘違いさせないでよ…もう、関わらないでッ…！』

そう吐き捨てて、左馬刻の前から光の速さで走り去った。
左馬刻も訳が分からないといった表情でしばらくレイラの走り去った方を見つめていたが、ふとレイラが最後に吐き捨てて言った言葉を思い出す。

　『好きなんだよバカッ！』

その言葉が妙に引っ掛かって、そして、何故自分が妙にレイラに会いたいと思ったのか、漸くわかった気がした。
用がなかったなんて嘘だ。顔が見たかったというのが恥ずかしかった。でも今ならハッキリわかる。

「…ッチ、…らしくね」

顔を真っ赤にして胡座をかいてその場に座り込む。顔を手で覆って自分のやらかしたことに頭が痛くなった。

「俺様もだっての…」

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多分過去編まだ続きますが一旦ここで