ジャンルごちゃまぜ短編集vol.2 (ページ4)

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▼ hpmi :【蹴飛ばされる石の如く1】碧棺左馬刻ページ4

ジャンルごちゃまぜ短編集の【小石程の愛】の続き

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あれから数日。レイラはスマホを片手に頭を抱える日々を送っていた。もう片方の手には例の紙切れ。まるで借金取りに追われる債務者のようだったと後に周りの人間は語った。

レイラはヨコハマのとあるカフェで働いていたのだがあの一件から仕事にも身が入らずなんとも情けない失敗ばかりだった。店長も同僚達もどうするべきかと頭を抱える日々だ。
今日の勤務ももちろん例外でない。休憩も終わり、相変わらず浮かない顔のレイラであったが、来店を告げるチャイムに、前も見ずに入口まで歩いていく。やはり顔も見ずに客への応対を始めるレイラであったが、店長や同僚達の慌てた声に俯き気味の顔をパッと上げた。

「よぉ」
『…え』

見間違えるはずのない、そしてここに居るはずのない、そんな人物にレイラは持っていたメニューを床に落とした。

「店長よぉ、コイツ借りるぜ」
「あ、は、は…はいぃっ！」
「オラ、行くぞ」
『え、でも』

有無を言わさず手を掴み、言葉も無しに連れ去った。その場にいた全員、静かに手を合わせる事しか出来なかったが後にこの二人がそういう関係になるなんて今はまだ知らなくていい話であろう。

『ね、ねえ、碧棺く、』
「左馬刻」
『え？あ、左馬刻くん？』
「＂くん＂とかキメェよ」
『あっ、そっか、左馬刻…じゃなくて！どこ連れてくの！』
「テメェこの俺様が番号教えてやったってのになんで連絡の一つもねぇんだよ」
『それは、その…。き、今日しようと思って、』
「嘘ですって顔に書いてあんぞ」
『うっ…ていうかなんで僕の職場知ってんの』
「知り合い伝い」
『碌でもないダチ…』

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長くなりそうなので次に続きます