ジャンルごちゃまぜ短編集vol.2 (ページ22)

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▼ hpmi :【ブレイクタイム】入間銃兎ページ22

これと同一主。あくまで主人公は左馬刻の恋人です。

「あれ、珍しい。今日は貴方一人なんですね」

左馬刻の事務所にふらりと顔を出したのは入間銃兎だった。しかし通された部屋にいたのは左馬刻ではなくレイラ一人、銃兎は不思議そうに首を傾げる。

『左馬は親父さんの命令とかで出てったよ！僕はゲーム忙しいからお留守番』
「左馬刻よりゲームですか」
『…左馬にほってかれたんですし。…む、強がってたの！ゲームなんかしてないでしょ！』
「これは失礼」

銃兎はレイラの言葉で隠しきれない笑いをそのままに、レイラの向かいのソファに腰掛けた。
レイラはというと先程までのぶすっとした顔はどこへやらニッコリと笑って銃兎と向かい合っている。

『今日はどしたの？』
「いや？別に用事はなかったんですが」
『さぼり？』
「失礼な。息抜きです」
『ふーん。そ。あ、ねえコーヒー飲む？』
「では頂きましょうか」
『ん、待ってて！あ、灰皿置いとくね』

テキパキと銃兎をもてなす準備を始めるレイラを銃兎は感心した目で見つめる。最初左馬刻に紹介された時はどんなクソ悪ガキかと思っていたが会ってみれば女のような男で拍子抜けしたのを思い出す。
しかし実際話しているうちにわかってきたのは、肝は座ってるわあの左馬刻を尻に敷くわ、さらに気が利くし思いやりがあるし、なんで左馬刻と…ということであった。
男同士の恋愛に偏見は無いが、左馬刻が何故男と付き合っているのかと疑問だったが会う度にわからされたように思う。
…さすが、左馬刻の選んだ男だと思いつつ銃兎は出された灰皿を有効活用するためタバコを取り出し火をつけた。
半分吸った頃にレイラが楽しそうにコーヒーと茶菓子を持って戻ってきた。…まるで我が家じゃねーかと、レイラの姿を見て銃兎は口元に笑みを浮かべる。

『ブラックでいい？』
「ええ」
『ん、甘いの得意じゃなさそうな銃兎の為に買っておいたチーズケーキ。賞味期限今日までだったから良かった～』
「ほう…ありがとうございます。レイラって本当にいいお嫁さんになれそうですね」
『え？そ？左馬お嫁にもらってくれるかなあ』
「そりゃ勿論でしょう。貴方にベッタリですし。あ、頂きますね」
『どうぞー。あ、聞いてよ！こないだ喧嘩してさ～…一一』

レイラの愚痴という名の惚気話を聴きながら、銃兎は束の間の平穏を楽しむ。
レイラと二人というのも悪くないな、と思う気持ちはチーズケーキと共に喉へ流し込んだ。