▼ hpmi :【一時停止違反2】碧棺左馬刻 ページ11
お久しぶりです、めちゃくちゃ仕事忙しい。
では以下本文です。
これの続き
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『ごめんね、いつも、役に立てない』
シャワーから出る少し熱めのお湯が、二人の身を濡らす。レイラは、左馬刻の背から離れ、正面に回り込んでその端正な顔を覗き込む。
『左馬、』
「、ワリィ」
『ううん、大丈夫』
「レイラ」
『ん?』
「いつもお前には感謝してる、本当に」
『らしくないね、でもありがと』
そう言葉を交わして、今度は強く抱き締められる。
レイラは腕の中で、久しぶりに聞く左馬刻のらしくない発言に思わず赤裸々していたが、それを隠すいいチャンスだと内心安心した。
と、同時にもっと、もっとと求める自分もいるのだ。言葉だけじゃない。もっと役に立ちたかった。
『どんな形でもいいから、お願いだから、僕を頼りにしてほしい、乱暴でもいい、左馬の役に立ちたい』
「心配しなくても俺様はレイラを頼りにしてるっての、そこにいてくれるだけで構わねぇよ」
『ん、そっか』
左馬刻の腕の力がすこし和らいで、レイラはちらりと左馬刻の顔を見上げる。
そこには珍しく優しい顔をした左馬刻がいて、レイラは思わず見蕩れる。
ああ、そうか、僕はこの人に笑っていてほしいんだ
レイラは左馬刻の頬を両手で包み込んで、それからゆっくりと頬の肉をつまんで軽く左右に引っ張る。勿論左馬刻の顔がみるみる険しくなるのだが、レイラにはそれさえ嬉しくて堪らなかった。
『はい、笑って』
「ハッ、うぜ」
『やっぱ左馬は、こうでなきゃ』
パッと手を離して今度は左馬刻の胸に耳を押し当てる。
『今も明日も、明後日も、こうやってそばにいさせてね』
「…ったりめーだ」
『ん!じゃあ体洗って湯船に浸かってね!』
お互い、いつもの二人に戻ってじゃれ合う。
きっと明日も、明後日も、左馬刻の傍にはレイラがいて、レイラの行く所には左馬刻がいる。
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作者名:たまの | 作成日時:2018年12月15日 19時