鬱審神者 3【刀剣乱舞】 (ページ12)

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薬研side

「大将、平気か？」

先程、広間で頭を抑えていた。

きっと、政府のお目付け役の刀の名前に反応したのだろう。

それだけ、切国の旦那が大将にとって大きな存在だった。

『平気だよ。ごめんね。後で山姥切さんに挨拶しないと..。』

「無理だけはするなよ。」

薬研の言葉に小さく頷けば
頭を撫でられた。

「じゃ、俺っちは遠征行ってくる。」

『行ってらっしゃい。』

そういえば、薬研は部屋を後にした。

まあまあ広い部屋に一人。

誰かがいなくなると、
寂しくなる。

寂しいという気持ちは、
とうに捨てたと思っていた。

でも、みんなと過ごしていくうちに、
みんながいることが当たり前になった。

記憶を失う前の私は、
もっと笑えてたのかな。

ぽっかりと空いた穴が埋まらない感覚。

もっと大切な何かを忘れている気がして、
でもその気持ちがわからず
紛らわせる為に書類の山を片すことにした。