Horse's neck

ー ページ39

　







久「路地裏！？」




各々が驚きの声を漏らす






『ああ、路地裏。



そこで死にかけてる所を救われた。』






所「し、死にかけてる！？」





驚きの声を挙げる所長にAが一瞥する







『死にたかったんだ。




アメリカで飛び級をして医者になって、自分自身を見て欲しくて、一生懸命頑張った









なのに、待っていたのは自分の地位が欲しくて媚びを売るやつ、なんであいつがという嫉妬、憎悪。





だから、居場所なんかないのに日本の路地裏で死のうと思ってた。』






不気味なほど淡々と話をするA








東「で、そこを夕希子さんに助けられた、と…」




恐る恐ると言わんばかりの表情で話す東海林







『誰かが要らないと云う明日は、亡くなった誰かが生きたいとすがりついた明日である。』




中「はっ？」




中堂が驚きの声を挙げ、A以外の視線を集める



『中堂さんは知ってるだろ？』



懐かしむような表情でAは告げる






『夕希子さんが助ける時に言ったんだ




“そうやって、解剖医の彼氏が言ってたんだ“




って、大事な人を思い出す目で』





Aは、冷めたコーヒーを一口飲む


　


『それから、そいつは夕希子さんに少しずつ心を開いた。




そして、




家族のこと、アメリカでのことを相談した。





“俺は生きてていいんだろうか？“……と』

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