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〜第2話〜 ページ4

高杉「……」


晋助の目が鋭く細められた

私が何を言いたいのか、どう思っているのか、見極めようとしている

そんな視線を浴びながら、私は過去に想いを馳せて目を伏せる



紫乃「私にとって、松陽先生は命の恩人よ。それは今でも変わらない。だって…あの人がいたから今がある。銀時や小太郎…何より晋助に出会えたし、侍を誤解したままだったかもしれない…」


感謝しても仕切れない。
吉田松陽は、私の人生の原点なんだから…。


きっと晋助たちにとってもそう。
同じ学び舎で育ったんだから…。


紫乃「でもね…記憶をなくして幕府に囚われていた私を解き放ってくれた美音羅様も、私にとって同じくらい命の恩人なのよ」

高杉「…っ!」


上で晋助がハッと息を呑んだ。

そしてあの時を思い出したのか悔しそうに唇を噛み締めた

私がそれを見て苦笑いながら頬に手を添えると彼はピクリと震える


紫乃「あれは私の自業自得だった…。私が弱いばかりに、いろんな人間を傷つけたんだもの…」

高杉「開きなおんじゃね!! なんでテメェ、あんな選択しやがった? 俺ァ、やめろっつったよな?!」

紫乃「……」


晋助の隻眼が怒りに揺れていた。

晋助の、久しぶりに聞く叫び声


高杉「俺ァこんな未来かけらも望んじゃなかった! あの状況で、俺達はお前を取り戻すことができたんだよ!」

紫乃「でも逃れられる保証はなかったわ。それに、逃げおおせたところでいつかは限界がくる…」

高杉「!! ちっ…!」


頭がいい晋助だ。今更言っても意味がないことも、戦況的に不利だったことも理解していたにちがいない…

帰って来たのは舌打ちだった。

納得いかない様子の彼に、私は困りながらも笑った


紫乃「私のこと、嫌いになったかしら? でもね、あんた達を守れて宇宙を知れて…色んな出会いがあって私は嬉しかったよ…」

高杉「…!!」


それを聞いた晋助が目を見開くと、そのまま何も言わなくなった


紫乃「記憶をなくしてから会った美音羅様はすごくいい人よ。こんな私を拾ってくれて、生き場所を与えてくれて、弟子にしてくれて、愛情を注いでくださった…」


昔話を語りながら思い出すのは、牢屋の中で初めて差し伸べられた自由へ引っ張ってくれる手だった


紫乃「だからこそ私はあの人に忠誠を誓った…。自由な姿を見せることが美音羅様への恩返しになると思って…」






だから、私は迷っているのよ。




──────先生がいるこの星にいるか、美音羅様についていくのか

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作者名:ウシマ♪o(`ω´ )o | 作成日時:2017年10月15日 23時

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