【️イナズマイレブン】大好きな君に、人生最大の我儘を。I (ページ6)

今日:2 hit、昨日:21 hit、合計:194 hit

第55話ページ6

母「ごめんね、こんなに泣いちゃって。びっくりさせちゃったわね。
さ、買ってきたデザートでも開けて…『お母さん。』」

『……私の気持ちも、お母さんに伝えていい？』
母「…いいわよ、正直に言っていいからね。」

お母さんが覚悟を決めた顔で私と向き合う。きっと、酷い言葉を言われるとそう思っているんだろう。

でも…

『私ね、お母さんもお父さんも大好きだよ。だって…2人はいつも、遠くからでも私を大切に思ってくれて、愛してくれているって分かってたから！』

母「……紗季…。」

『…寂しい時も勿論沢山あった。仕事で家にいない2人に帰って来て欲しい、どうして私のそばにいてくれないのって言っちゃえば2人も戻って来て全部スッキリするのかなって思った日もあった。
3人で過ごした日を思い出して戻りたくなって泣いた日も沢山あった。

でも私は……大好きなお父さんとお母さんの邪魔になりたくなかった！心配を掛けたくなかった！迷惑を掛けたくなかった！2人のことが……、お父さんとお母さんが……っ、大好きだから…。

でもね、涼野くんが…私の大好きな人が教えてくれたの。我儘や本音を言うのは、悪いことじゃないってこと、何があっても味方でいてくれる人がいるってこと…。

私、2人が私のお父さんとお母さんでよかった！！いつも本当に、ありがとう……。』

自分の本音を全て打ち明けた後、私は涙と鼻水でぐちゃぐちゃになっていた。
嗚咽しながら泣く私を、同じような状態のお母さんが抱きしめる。

母「ありがとうっ、ありがとう…っ。お母さんも紗季が大好きよ……貴方は私とお父さんの宝物よ、貴方が言ったことが迷惑なんて絶対にならないのよ……もっと我儘言っていいのよ…。ごめんね、いっぱい我慢させてごめんね…。」

お互いに抱きしめ合いながら、私たちはしばらくの間泣き続けた。
テーブルに置かれた料理が冷めていくことも気に留めないまま。