第38話 ページ38
「しかも簓、誰かとバンドかなんか組んでたみたいでなんだったかな…MT…なんとかってやつなんだけど知ってる？」
ヨコハマに戻ってすぐ繁華街で簓と出会った。
こちらは初対面のはずなのに向こうは知った口振りで最初は戸惑ったが意気投合して知らない間に一緒に住んでたと言ったら兄弟揃ってすごい形相で睨んできた。
美人が怒ると怖い…
「なんでそこで知らない奴と暮らせるんだよ兄貴は!!」
「そんなこと言われたってなんか上手いこと口八丁に乗せられたって感じだと思う」
我ながら情けない…同い年とはいえ見知らぬ人と暮らすなんて…
それに正直、嫌われるくらいなら簓との生活は死んでも言わないと2年前から決めている。
「兄ちゃんは優しすぎるんだよ!!そいつと一緒にいたいから俺たちに逢いに来てくれなかったのかよ…」
あっ、やばい…今にも二郎のタレ目の綺麗な瞳から涙が零れ落ちそうだ
「ごめん…俺だって逢いたかったんだ…でも、行けなかったんだよ行きたくても」
目の前に今にも壊れそうな人がいたから放って置けなかったんだと最後の最後で尻すぼみになってしまう。
「その人は兄ちゃんの大切な人？俺たちよりも？」
はっとして俺は二郎と一郎を交互に見た。こんなにも悲しそうな顔を今まで見たことあるだろうか
帰ってくれば笑顔で迎えてくれて行かなきゃ行けない時も笑顔で見送ってくれて
あぁ、違うこれは言い訳だ…時々にしか帰れない俺に弟たちは沢山甘えてくれたから、今回も大丈夫だろうと弟たちの優しさに甘えて…
「弟が大切に決まってるじゃないか…なんでそんな簡単なことなんで俺は…」
結果的にあいつは…簓は芸人として活躍出来てる。それに、あの人とセンセイと組んでオオサカディビジョンとしてオオサカを引っ張って行けると認められたなら、大切な仲間がいるなら俺は必要ないだろう。
いくら向こうから求めてきたとしてもあの方法でしか慰められなかったから仲間が出来たことはいいことだ。
「ごめんね一郎二郎…もう勝手に出ていくことはしないから俺を許してくれ…こんな俺だけどずっと一緒にいてくれないか？」
弟たちが好きな人を見つけてこの家を出ていくまでそばにいてくれ
「もう…勝手にどこかに行くことは許さねぇからな」
「そうだよもう俺たちだけにしないで」
今からでもやり直せるならこの子達に許されている限り傍にいよう
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たかし(プロフ) - 咲夜さん» ご指摘ありがとうございます。ご指摘の件について訂正致しました。ありがとうございます。 (2019年12月1日 7時) (
レス) id: 77e33eaa81 (このIDを非表示/違反報告)
咲夜(プロフ) - 16話の辺りの話で「観音寺さん」となっている所は「観音坂さん」では無いでしょうか？ (2019年12月1日 2時) (レス) id: 7c299e15d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たかし | 作成日時：2019年11月20日 23時
