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第32話 ページ32

「おかえりなさい、兄貴」

「…申し訳ございませんでした」

とっても笑顔なのに目が笑ってない山田一郎さんに反射的に謝罪をした俺。

今世紀最大のスライディング土下座をかました俺に愛する我が弟の目は冬将軍も驚く絶対零度の冷たさであった。




***


家に帰る2時間前ー

俺はイケブクロに向かうためにシブヤ駅に行ったのだが踏切点検の影響で電車が一時遅延という不運。

それなら車でと、タクシー捕まえようにもこういう時に限って全然走ってねぇ

早く帰らないと一郎に殺されちゃうよ!!

もうこうなったら走るしかないと思いイケブクロまでの道順を思い出しながら走った。

朝ということもあり周りはサラリーマンがあちらこちらにいた。

それを上手く掻き分けながら進む。


なんでこうなったんだと考えても昨日の記憶が思い出せない。

昨日あった出来事を初めから辿っていく。



カジノに行って金稼いで帝統と会って勝負して帝統の案内で指輪貰って…

うんうん、ここまでは覚えてる。

そっから、どうしたっけ…

帝統とシブヤにある家に帰って…飯食って酒飲んで…酒の勢いでなんか言った気がするんだよなぁ

なんだっけ…

あぁ、そうだ

パスワード教えたんだ、勝手に部屋使っていいからとか言って…それでその後普通に爆睡したわ

別に帝統と何かそう言う関係があったとかじゃなく普通に爆睡して次起きたら朝で…

隣見たら何故か裸の帝統がいて

急いで飛び起きて駅向かって、今に至ると


6時にシブヤの家出て猛ダッシュで走って近くの公園を通った時に見た時間は7時30分だった。

その公園は見覚えのある公園だったので今がイケブクロにいるのだと分かった。

謝罪の言葉や昨日の出来事をぐるぐると頭の中で考えているといつの間にか家の前に着いていた。

1時間以上全速力で走ってきたから心臓がバクバクしているのか一郎に怒られるのが怖くてバクバクしているのかそれともどちらもなのか

冷や汗が止まらない家に入る前に深呼吸をして体と心を落ち着けてから入ろう。

ヒッヒッフー、ヒッヒッフー

「よしっ…我が家に帰るぞ!!」

そう意気込んだものの音を立てないようにゆっくりと扉を開けた。

開けた先に待っていたのは

ニコニコしながら(目は笑っていない)仁王立ちをする山田一郎さんであった。

「おかえりなさい、兄貴」

サラリーマンも驚く見事なスライディング土下座を決めた俺であった。

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たかし(プロフ) - 咲夜さん» ご指摘ありがとうございます。ご指摘の件について訂正致しました。ありがとうございます。 (2019年12月1日 7時) (レス) id: 77e33eaa81 (このIDを非表示/違反報告)
咲夜(プロフ) - 16話の辺りの話で「観音寺さん」となっている所は「観音坂さん」では無いでしょうか? (2019年12月1日 2時) (レス) id: 7c299e15d2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たかし | 作成日時:2019年11月20日 23時

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