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第25話 ページ25

俺はメガネ美人の同行に素直に応じ後ろについて歩き出す。

Prr

着信を告げる音が鳴り俺は彼を見る

「電話…なってます」

彼はスーツの内ポケットから携帯を取り出すと着信画面を見て一つ大きく溜息を着く。
メガネをくいっと上げ直すと画面をスライドさせて応答した

「チッ…はい、入間ですが」

美人な顔に似合わず舌打ちなんて

『1コールで出ろウサポリ公っ!!』

電話相手の声こっちまで聞こえてるよ!

「うるせぇっ!今こっちは仕事中なんだよ!」

え、まじかこの美人なお兄さん実はこっちが素?

何このギャップ…

『んなもんは関係ねェんだよ、俺様が出ろって言ったらさっさと出ろ』

もう一度ため息を着いた入間さんは眉間に手を当てた。

「はぁ…いいか左馬刻、こちとら目の前で違法マイク売ろうとしてるやつをしょっぴくことで忙しいんだよ」

「…左馬刻?」

口の悪い口調…ヨコハマ…左馬刻…まさか…

「美人のお兄さんその電話の相手って碧棺左馬刻?」

「あ?」

ヒェッ…怖っ、美人ほど睨むと怖い人はいねぇ

って、そうじゃなくて

「ちょっと貸してください!」

そう言って俺は入間さんの携帯を奪い耳に当てた。

『おいゴラァ銃兎ッ!!聞いてんのか?!』

音割れするくらい大きな声で叫ばれ一度耳から携帯を離した。

「そんな叫ばなくても聞こえてるよ、碧棺」

相変わらずだなぁ…と思いながら昔と変わらない様子に思わず笑みがこぼれる。

『…なっ…てめぇは…』

少しの間、喉から絞り出すような声

「久しぶりだね、7年ぶりくらいかな?噂は聞いてるよ、立派な任侠になったようで」

『…てめぇ、今どこにいやがる』

「ヨコハマ」

『違ぇそういう事じゃねぇよ、いいか!絶対そこから動くなよっ!!』

うわ、何様だよ…あっ、左馬刻様か

「そう言われると動きたくなるのが人間のサガでしょ」

俺の言葉に急に碧棺は押し黙ってしまった。

『……頼むから行くなA』

まるで俺に縋るように言った碧棺に返す言葉が見つからない。

「…ごめん」

謝ることしか出来ない俺は携帯を入間さんに返した。

入間さんは何か言いたげな表情だったが気づいていないフリをした。

「お兄さんすいません…俺、家で家族が待ってるんで帰ります。このマイクは貴方に渡します。ここまで連れて行ってくれてありがとうございました。」

最後の方は早口になってしまったがとにかくこの場を離れたくて早歩きで路地裏を出た。





「俺から会う勇気なんてまだないよ…左馬刻」

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たかし(プロフ) - 咲夜さん» ご指摘ありがとうございます。ご指摘の件について訂正致しました。ありがとうございます。 (2019年12月1日 7時) (レス) id: 77e33eaa81 (このIDを非表示/違反報告)
咲夜(プロフ) - 16話の辺りの話で「観音寺さん」となっている所は「観音坂さん」では無いでしょうか? (2019年12月1日 2時) (レス) id: 7c299e15d2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たかし | 作成日時:2019年11月20日 23時

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