ヨコハマのヤクザは純粋無垢な少女の護衛 3

#1月1-1 ページ10

左馬刻side
　
　
貴「あけまして、おめでと」
　
　
寂雷「明けましておめでとう、Aちゃん」
　
　
今、何しているかって？
　
　
…………正月の挨拶だ。
　
　
いつもなら こんなことしないが、去年は世話になったし、何よりAにも初めての日本の行事をこれから楽しんでほしいからな。
　

一二三「明けましておめでとう！A〜！」
　
　
独歩「お、おい一二三………。Aちゃん、明けましておめでとう」
　
　
あとは、乱数の所と一郎の所だな。

　
ったく、挨拶回りなんかめんどくせぇ。


寂雷「Aちゃん、着付けしてもらったのかい？」
　
　
貴「うん」
　
　
独歩「すごく、似合ってるよ」
　
　
一二三「左馬刻さんも、似合ってるっスよ〜！」
　
　
左馬刻「うるせぇ」
　
　
そう。今回、俺とAだけ着付けをされたのだ。
　
　
俺は一般的にある黒色の着物、Aは青色がベースで色とりどりな花が入っている着物だ。
　

寂雷「はい、Aちゃん。これは私達3人からだよ」
　
　
先生は3つの封筒をAに渡す。
　
　
貴「？」
　
　
銃兎「お年玉ですよ」
　
　
貴「おとしだま？」
　
　
Aは分からず、困った顔をする。
　

銃兎「お年玉と言うのは、新年のお祝いとして子どもや使用人に贈る金品です」
　

貴「…………せんせ」


寂雷「ん？なんだい？」
　
　
貴「だめ。もらえ、ない」
　
　
Aは封筒を先生に返す。
　
　
寂雷「何故だい？」
　
　
貴「A、せんせたち、たすけられて、ばかり。だから、いらない」
　
　
こいつなら、Aなら言うと思ったぜ。
　
　
寂雷「じゃあ、これは私達からのお願い。貰ってくれるかな？」
　
　
先生はAの手を重ねて、Aに返した。
　
　
Aは申し訳なさそうな顔をしながら、3つの封筒を貰った。
　
　
貴「せんせ、どっぽ。ひふみ、ありがとう」
　
　

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