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レイの叫び ページ7

ラムが腕を振り上げ電気を集中させたので、「わぁ!やめろラム!俺まで巻き添えになる!」と慌てて叫ぶ。ラムは「あっ」となるとすぐに腕を下ろす。ただでさえ電撃を食らっているというのに、レイの巻き添えでまで食らいたくない。
「ぶもーー!!」
「お前さえいなければラムちゃんは俺のことを見ていたと言っとるで」
「あのな、時系列がおかしいだろ!俺と出会った時ラムはもうレイと別れてたはずだ!」
「そうだっちゃ!うちはお前と別れていたから、ダーリンのプロポーズを受け入れたんだっちゃ!」
ラムは俺と違って浮気をしない性格だということはよく分かっている。従ってあの時結婚しようと言い出したということは即ちレイとは別れているということなのだ。まぁ、プロポーズはしてないけどな、とは言わないでおいた。生き残るために余計なことは言わないでおこうと思ったからだ。
「でもラムちゃんがあたるを好きにならんかったら帰ってきたかもしれない言うとるで」
「そんなの俺が知るかっ!」
「ぶも〜〜っ!」
ラムの心が自分のものではないことに一層憤りを感じたらしいレイが俺を掴む手に力を込める。牛の馬鹿力で絞められ、俺は耐えきれずに声をあげる。
「う、ぐ、ぐるし……やめろ、マジで死ぬ……」
その様子を見たラムがはっ、とした表情をし、怒りに震えて眉を吊り上げる。
「やめるっちゃレイ!うち、本気で怒るっちゃよ!!」
バチバチと周囲に電気を纏うがレイの目は怒りに血走っており、最早ラムなど見えていない。こ、こいつ本気で俺を殺す気か!?
「レイ!やめるっちゃ!レイ!!聞いてるのけ!?」
ラムの必死な抗議も虚しく、レイは力を緩めようとしない。どんだけラムが好きだったんだこいつ。好きならもっとちゃんと繋ぎ止めておけよ!お前がラムより飯を選んだからこうなってんだろうが!!…って、そろそろやばい。
「もうじぬ(死ぬ)……」
「ほんまかいな〜?」
「ダーリン!…レイ!!こっち向くっちゃ!」
ラムが飛び上がり、レイの眼前で止まる。ようやくレイはラムの存在に気づき、彼女を見つめる。
「うちは、お前のことは嫌いじゃないっちゃ。恋人としては嫌だけど、別に友達としてなら…それでもいいっちゃ。でも……でもね」
ラムが一度言葉を止め、俯くと、即座に顔をあげ、キッ、とレイを強く睨みつけた。
「ダーリンを殺したら、うちはお前を絶対に許さないっちゃ!今度こそ本気で嫌いになるっちゃよ!」

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作者名:如月フウカ | 作成日時:2022年11月2日 21時

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