うる星やつら〜愛の大きさで勝負せよ！〜 (ページ4)

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その瞬間ラムが指差した押し入れからカステラの袋を取り出すとレイが手づかみで食べ始める。その様子を見たラムが冷ややかな視線を送る。
「ダーリンはうちと話してるのにカステラばっかり食べたりしないっちゃ。お前とは大違いだっちゃ」
「おーラム、お前カステラなんて買ってたのか。俺も食べよ」
もう一つあったカステラの袋を取り出してレイの横で食べ始める。するとレイが自分のだと言わんばかりにそれを取り上げようとするので「人のものを横取りしようとすんな！卑しいやっちゃな〜」とブツブツ呟きながらカステラを口に放り込む。
「なーラムちゃんあたるカステラ食うとるで」
「ダーリン！そこは食欲に負けるなんてお前もまだまだだなとか言うところだっちゃ！」
「えーいうるさい！今俺は甘いものが食いたかったんじゃ！」
「ダーリン……」
ラムが俺の横で何か言ってるが聞こえないふりをしてカステラを頬張る。普通に美味い。どこの店だろう。後でラムに聞くとするか。
「なーラムちゃん。どっちもどっちやないか？」
「全然違うっちゃ！！」
呆れて額に手を当てるラムを見ながらもカステラを食べる手は止めない。しかしこう何個も食べて飽きてきたしそんな冷ややかな視線を向けられては食欲が失せる。俺が袋を横に置くと、レイが取り上げて袋を逆さまにして一気に口に放り込んだ。これではラムに愛想を尽かされるのもしょうがないと思う。
「ん〜こうなったらもうどっちがラムちゃんのことを好きかどうかで争うのがいいんやないか？」
ジャリテンの謎の一言に全員の視線が集中する。急に一斉に見つめられたのでジャリテンは少し驚いている。
「どういうことだっちゃ？」
「ラムちゃんへの愛の大きさで勝負するんや！レイはラムちゃん大好きやし、あたるのアホもなんだかんだ言ってラムちゃんのこと好きやろ？だからそれの大きさを競うんや」
「おいジャリテン。目に見えんものでどうやって争おうというのじゃ」
目に見えんもので争おうなどとは……頭の足りない幼児の考えそうなことだ。全く、アホだな、と考えているとジャリテンがにやりと口元に笑みを浮かべる。予想していた反応とはまるで違ったので俺は「ん？」となりながらもジャリテンを見上げる。「目に見えない？本当にそうか〜〜？」
ジャリテンはふよふよと空中を移動すると俺の机の引き出しを漁り始める。