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突然の来訪者 ページ3

こちらから視線を背けるので、無理やり視線を合わせようと動くがラムが飛び回るので全く視線が合わない。
「お前自分で言ってて図々しいとは思わんか?ラムちゃんには好きでいてほしいけど自分は好きって言わないなんてな〜〜わいはこんなアホにはなりたくないなぁ」
「もういいっちゃ、テンちゃん。きっとダーリンはうちのことなんて好きじゃないんだっちゃ」
「…そうとは言ってないだろ」
「じゃぁ好きなのけ!?」
「そうとも言ってない。」
「ぶー……」
そんなに言葉にしなきゃ分からないものなのか……?まぁしなきゃ分からないと言われてもしないけど……。うーむ……難しいな人間関係は。
ラムの不服そうな表情を見ていたらなんとなくガールハントをする気が失せてしまった。昨日も一昨日もガールハントをしたし今日くらいはしなくてもバチは当たらんだろう……。
「仕方ない、今日はガールハントを諦めるとするか……」
「ほ、本当け!?」
「今日はジャリテンと…徹底抗戦じゃ!」
「受けて立つで!」
「ダーリン!テンちゃん!」
ラムの怒号が部屋に響き渡った。その直後、遠くからゴゴゴゴゴ……と何かが部屋へ近づいてくるような音が聞こえた。
「……ん?なんか音がしないか?」
「えっ?テンちゃん聞こえる?」
「ホンマや!何か近づいてくるで!」
やがてその音の正体は間近に迫り、窓を突き破って現れた。虎のような牛のような、なんとも言えない姿をした生物、レイがラムへと飛びかかる。
「らむ!」
「レイ!なんでお前がここにいるっちゃ!!」
「ぶも〜」
「ラムちゃんとあたるを別れさせようと思って来たんやて」
「なにぃ〜!?」
未だに押さえつけたままのレイをラムから強引に引き剥がすと、レイの肩にぽんと手を置く。
「レイ。別れた女の後を追うなんて見苦しい男のすることだぞ。潔く諦めろ」
「ぶもーー!」
「女の子ばっかり追いかけてるお前に言われたくない言うとるで」
「俺はここまでしつこくないわい!!」
婚約までしておいてそれでいて破棄されたというのにどうしてここまでラムの背中を追いかけるのか甚だ疑問だ。レイは未だにラムのことが好きみたいだが、ラムがここまで邪険に扱っているのに何故そう思えるのだろうか。
「ラムちゃん、この男のどこがいいんだってレイが言っとるで」
「お前よりずっといいっちゃ!」
「らむ、なぜ」
「レイ、そこにうちが買っておいたカステラがあるっちゃ」

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作者名:如月フウカ | 作成日時:2022年11月2日 21時

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